“とぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トギ
語句割合
42.9%
途切22.8%
途断6.5%
4.9%
杜切4.3%
杜絶4.3%
跡切2.7%
富来1.6%
止絶1.6%
1.6%
(他:12)6.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「むむ、くどいの、あとは魔界のものじゃ。雪女となっての、三つ目入道、大入道の、酌なととぎなとしょうぞいの。わはは、」
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その、光の絣模様のようにつらなっている美しい風景が、金五郎を、おとぎの国に入りこんだような、幻想的な気持にさせた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
口々くちぐちんなことが遠慮ゑんりよもなく反覆くりかへされた。あひだ少時しばし途切とぎれたとき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかし言葉が途切とぎれたのは、ほんの数秒のあいだである。男の顔には見る見る内に、了解の色がみなぎって来た。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
二人ふたりの言葉は一寸ちよつ途断とぎれた。そして何所どこへともなく目的あてどなくあるいて居るのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
里の市が流して行く笛の音が長く尻を引いて、張店はりみせにもやや雑談はなし途断とぎれる時分となッた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「これなども、やはりよそからとぎを頼まれて、預かっている名刀の一つですが、ごらんなさい、惜しいさびをわかせています」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはここのあるじの角兵衛に依頼して、細川家に出入りの厨子野ずしの耕介へとぎにやっておいたものである。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少女のような声はただそれきりで杜切とぎれた。それから昏睡こんすい状態とうめき声がつづいた。もう何を云いかけても妻は応えないのであった。
美しき死の岸に (新字新仮名) / 原民喜(著)
砂丘が杜切とぎれて、窪地くぼちになっているところに投げ出されている叢だったが、春さきにはうらうらと陽炎かげろうが燃え、雲雀ひばりの声がきこえた。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
それまで肱掛に俯伏うつぶしていた真斎が必死の努力で、ほとんど杜絶とぎれがちながらも、微かな声を絞り出した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
とその声が、ふと杜絶とぎれたかと思うと、彼女は瞳を片寄せて、耳をしげるような所作しぐさを始めた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
田圃たんぼを隔てた町のほうから、太鼓や笛の音が、高くなり低くなり、跡切とぎれたかと思うと急に拍子を早めたりして、聞えて来た。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
田圃たんぼを隔てた町のほうから、太鼓や笛の音が、高くなり低くなり、跡切とぎれたかと思うと急に拍子を早めたりして、聞えて来た。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「今年ゃ七海に神輿みこしを買うて、富来とぎ祭に出初めやさかい、大方家のお父様ねも飲ましとるに違いないねえ。」
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
手紙の方は村から一里余離れた富来とぎ町の清左衛門という呉服屋の次男で、つい先頃七尾の或る呉服屋へ養子に行った男から来たのであった。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
妻は、一言でも言葉を止絶とぎらせたならば彼が再び眠つてしまふことを怖れて、彼が返事をせずには居られない問ひを考へて、矢継ぎ早やに放たなければならなかつた。
F村での春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その晩も彼と父とは、酒を酌み交しながら呑気な雑談に耽つてゐた。晩春の宵で、静かな波の響きが、一寸話が止絶とぎれると微かに聞えた。——父の妾の家の二階だつた。
父を売る子 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「いい刀身かたなだよ。とぎは悪いがシャンとしている。中心なかご磨上すりあげらしいが、しかし鑑定には骨が折れるぞコイツは……」
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とぎに出したりするのも好きだった。
幾分位いくらねむつたからぬが夢現ゆめうつゝうちつぎのやうな談話はなし途斷とぎれ/\にみゝはひる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
次は富江、次は愼次、次は校長……森川山内と續いて、山内と智惠子の間は少し途斷とぎれた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「吉峰さんのおばさんがあしたお帰りですかて……」信子は何かおかしそうに言葉を杜断とぎらせた。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
杉内アナウンサーの声は、ぱたりと、杜断とぎれた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
高い男は中背の男の顔を尻眼しりめにかけて口をつぐんでしまッたので談話はなしがすこし中絶とぎれる。錦町にしきちょうへ曲り込んで二ツ目の横町の角まで参った時、中背の男は不図ふと立止って、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
夢の島、絵の島、お伽噺とぎの島、
夢の島、絵の島、お伽噺とぎの島、
爺は、眼のあたりを少し赤くするようにして、息苦しい呼吸の間から、申しわけでもするように、吐切とぎれとぎれに言った。
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
暫らく談話はなし断絶とぎれる、母親も娘も何か思案顔。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
説話はなしが些し断絶とぎれる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
行参軍将軍 杜義とぎ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
研刀とぎの頼みをかこつけて来たわけであった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
話が間断とぎれると、ザザーツといふ浪の音が、急に高くなる。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)