“富来”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とぎ75.0%
トギ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手紙の方は村から一里余離れた富来とぎ町の清左衛門という呉服屋の次男で、つい先頃七尾の或る呉服屋へ養子に行った男から来たのであった。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
それから富来とぎ増穂ますほ剣地つるぎじ、藤浜、黒島——外浜を段々奥へ、次第に、いわは荒く、波はおどろになって、たいらは奇に、奇はけわしくなるのだそうで。……可心はこの黒島へ出たのです、穴水から。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
石川県の富来トギ湾は同県でも有名な漁場であるが、漁場の習いとして毎年のように、漁船の幾艘かが海上で暴風雨の為めに遭難し、稀には五人七人の漁師が屍体となって浜に打ち揚げられることもある。
屍体と民俗 (新字新仮名) / 中山太郎(著)