途斷とぎ)” の例文
新字:途断
田の中をうねつた路が細い。十人は長い不規則な列を作つた。最先に沼田が行く。次は富江、次は愼次、次は校長……森川山内と續いて、山内と智惠子の間は少し途斷とぎれた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
幾分位いくらねむつたからぬが夢現ゆめうつゝうちつぎのやうな談話はなし途斷とぎれ/\にみゝはひる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
話が途斷とぎれると、ザザーッといふ浪の音が、急に高くなる。楠野君は、二人のあらそひを聞くでもなく聞かぬでもなく、横になつた儘で、紙莨を吹かし乍ら、浪の穗頭を見渡して居る。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『私だつて然う思うわ、小母さん、眞箇ほんとに……。』と言ひかけたが、何かしら不※胸の中に頭をもたげた思想があつて言葉は途斷とぎれた。『神樣の思召よ。人間の勝手にはならないんですわね。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)