“杜切”の読み方と例文
読み方割合
とぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少女のような声はただそれきりで杜切とぎれた。それから昏睡こんすい状態とうめき声がつづいた。もう何を云いかけても妻は応えないのであった。
美しき死の岸に (新字新仮名) / 原民喜(著)
手紙は書き終らずにめたものらしく、引きいた巻紙まきがみと共に文句は杜切とぎれていたけれど、読み得るだけの文字で十分に全体の意味を解する事ができる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
二人の会話は、そこでまたもや杜切とぎれてしまった。帆村は次第につのり来る寒さに、外套の襟を深々とたて、あとは黙々として更けてゆく夜の音に、ただジッと耳を澄ましたのだった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)