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杜切
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とぎ
ふりがな文庫
“
杜切
(
とぎ
)” の例文
少女のような声はただそれきりで
杜切
(
とぎ
)
れた。それから
昏睡
(
こんすい
)
状態とうめき声がつづいた。もう何を云いかけても妻は応えないのであった。
美しき死の岸に
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
手紙は書き終らずに
止
(
や
)
めたものらしく、引き
裂
(
さ
)
いた
巻紙
(
まきがみ
)
と共に文句は
杜切
(
とぎ
)
れていたけれど、読み得るだけの文字で十分に全体の意味を解する事ができる。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二人の会話は、そこでまたもや
杜切
(
とぎ
)
れてしまった。帆村は次第につのり来る寒さに、外套の襟を深々とたて、あとは黙々として更けてゆく夜の音に、ただジッと耳を澄ましたのだった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
……と
杜切
(
とぎ
)
れ杜切れに呼ぶ皺枯れた臆病想な声が私の耳の後で聞えました。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
あなたの言葉の
杜切
(
とぎ
)
れ間を。
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
▼ もっと見る
家並が
杜切
(
とぎ
)
れたところから、海岸へ降りる路が白く茫と浮んでいる。伸びきった空地の
叢
(
くさむら
)
と白っぽい埃の路は星明りに
悶
(
もだ
)
え
魘
(
うな
)
されているようだった。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
手紙は書き
終
(
をは
)
らずに
止
(
や
)
めたものらしく、引き
裂
(
さ
)
いた
巻紙
(
まきがみ
)
と共に
文句
(
もんく
)
は
杜切
(
とぎ
)
れてゐたけれど、読み
得
(
う
)
るだけの文字で十分に全体の意味を解する事ができる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
真昼の電車の窓から海岸の
叢
(
くさむら
)
に白く光る
薄
(
すすき
)
の穂が見えた。砂丘が
杜切
(
とぎ
)
れて、
窪地
(
くぼち
)
になっているところに投げ出されている叢だったが、春さきにはうらうらと
陽炎
(
かげろう
)
が燃え、
雲雀
(
ひばり
)
の声がきこえた。
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
杜
漢検準1級
部首:⽊
7画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“杜”で始まる語句
杜
杜絶
杜鵑
杜若
杜撰
杜松
杜甫
杜氏
杜国
杜鵑花