“まつくろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
眞黒57.4%
真黒35.2%
漆黒3.7%
濃黒1.9%
烏黒1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大和やまとくにのある山寺やまでら賓頭廬樣びんずるさままへいてあるいしはち眞黒まつくろすゝけたのを、もったいらしくにしきふくろれてひめのもとにさししました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
木の上でねてゐた真黒まつくろな小人はそれを聞くと、とびおきて、青い着物をきて、赤い帽子をかぶつて音のする方へ飛んでゆきました。
十五夜のお月様 (新字旧仮名) / 村山籌子(著)
古い、暗い、大きい家、障子もからかみも破れ放題、壁の落ちた所には、漆黒まつくろに煤けた新聞紙を貼つてあつた。板敷にも畳にも、足触りの悪い程土埃ほこりがたまつてゐた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其の鈍色にぶいろを破ツて、處々に煤煙はいえん上騰のぼツてゐる。眞直まつすぐ衝騰つきのぼる勢が、何か壓力に支へられて、横にもなびかず、ムツクラ/\、恰で沸騰ふつとうでもするやうに、濃黒まつくろになツてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
洗ひ髪をぐる/\とむごまろめて引裂紙をあしらひに一本簪いつぽんざしでぐいと留めを刺した色気無の様はつくれど、憎いほど烏黒まつくろにて艶ある髪の毛の一ふさ二綜後れ乱れて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)