漆黒まつくろ)” の例文
昌作の方は、背の高い割に肉がげて、漆黒まつくろな髪をわざとモヂヤ/\長くしてるのと、度のひくい鉄縁の眼鏡を掛けてるのとで二十四五にも見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
古い、暗い、大きい家、障子もからかみも破れ放題、壁の落ちた所には、漆黒まつくろに煤けた新聞紙を貼つてあつた。板敷にも畳にも、足触りの悪い程土埃ほこりがたまつてゐた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)