“漆紋”の読み方と例文
読み方割合
うるしもん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
びっしょりになった浴衣を着換えた神尾主膳もまた、同じように生平の漆紋うるしもんで、前の座敷にさかずきを手にしながら待っていました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
漆紋うるしもん麻裃あさがみしもに朱鞘の長刀なががたなを横たへて、朝夕「あんちおきや」の帝の御所を守護する役者の身となつたが、さいはひここに功名手がらをあらはさうず時節が到来したと申すは
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
漆紋うるしもんの、野暮ったい古帷子ふるかたびらの前を踏みひらいて毛脛を風になぶらせ、れいの、眼の下一尺もあろうと思われる馬鹿長い顔をつんだして空嘯うそぶいているさまというものは、さながら
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)