“麻裃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あさがみしも85.7%
あさかみしも14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
媒人なこうどやら、叔父の小林鉄之丞やら、婚家の定紋提灯じょうもんちょうちんをぶら下げて、麻裃あさがみしもの影を、ゆらゆら、藪に描きながら、だらだら坂を降りて行った。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
廻禮の麻裃あさがみしもや、供の萠黄もえぎの風呂敷が、チラリホラリと通るだけ、兩側の店も全く締めて、松飾りだけが、青々と町の風情を添へて居ります。
万感のうちに、彼は肌着をつけ、上着、麻裃あさかみしもまで、すべてをまとい、同時に、何か心がすわったような重厚感を自分の肚に覚えた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このとき、彦左ヱ門七十九歳、白髪頭にトンボほどの小さいマゲ、麻裃あさかみしも、一丈二尺朱ぬりの槍をついて、シワだらけのくせに、気力だけは若い武士にも負けぬいきおいがあります。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)