“まくろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真黒77.8%
眞黒22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ながれめての方にて折れ、こなたのくが膝がしらの如く出でたるところに田舎家二、三軒ありて、真黒まくろなる粉ひき車の輪中空なかぞらそびえ、ゆんには水にのぞみてつき出したる高殿たかどの一間ひとまあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
汽車きしやる、汽車きしやる、真黒まくろげに夢とどろかし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
媼は我をきて進み入りぬ。小屋のうちは譬へば大なる蜂窩はちのすの如くにして、一方口より出で兼ねたる烟は、あたりの物を殘なく眞黒まくろに染めたり。
眞黒まくろひれのひたうへに、沈々として眠るのみ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
高き石がきは、まつはれたる蔦かづらのために、いよゝおそろしなり。青き空をかすめて、ところ/″\に立てるは、眞黒まくろにおほいなるいとすぎの木なり。
遠くクヰリナアル(丘の名にて、其上に法皇の宮居あり)と家々のむねとを越えて、紅に染まりたる地平線のわたりに、眞黒まくろに浮き出でゝ見ゆる「ピニヨロ」の木々の方へ、飛び行かばや、と願ひき。