野田は陰気なむっつりした男で、ときに卑屈に見えるところがあって、好きではなかった。けれども、彼には愛と熱と執拗とがあった。
五階の窓:04 合作の四 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
その意見をここに述べるのは、それが新奇なため(他の人々(6)はそう考えている)よりも、彼が執拗にそれを固持したためである。
アッシャー家の崩壊 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「ポルフィーリイ・ペトローヴィッチ、どうかそんなことを考えないでください」ときびしい執拗な調子で、ラスコーリニコフは言った。
罪と罰 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
紅い花 (新字新仮名) / フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン(著)
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
すり替え怪画:烏啼天駆シリーズ・5 (新字新仮名) / 海野十三(著)
脚が釘抜のように曲っているところから、釘抜藤吉という異名を取っていたが、実際彼の顔のどこかに釘抜のような正確な、執拗な力強さが現れていた。
釘抜藤吉捕物覚書:01 のの字の刀痕 (新字新仮名) / 林不忘(著)
駒井は久しぶりで、わが家の敷居をまたいで、はじめて、この罪の執拗なことを強く感じました。そこで、彼は亡き父と母とのことを深刻に回想してきました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その感じはハッキリしており、眼の前を飛ぶ小虫のように、執拗に追いのけられないものであった。そしてなお不吉なことには、いつも必ず適中するのであった。
ウォーソン夫人の黒猫 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。 (新字新仮名) / 太宰治(著)