“しつッこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
執拗100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、此方も依怙地えこじに追いかけて行って、鶏の肉だの牛乳だのを執拗しつッこく持ち廻りながら、鼻の先へこすり着けるようにしてやっても、今日ばかりはその好物の匂にもられなかった。
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
品子がこの猫の身柄みがらについて福子に嫌味いやみな手紙を出したり、塚本を通してあんなに執拗しつッこく頼んだりした動機と云うものを、一寸ちょっと説明しておかなければならないのであるが、正直のところ
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それで庄造は、いくら塚本が執拗しつッこく云つて来ても、彼一流の婉曲えんきょくな口実でやんはり逃げてゐるのであつたが、福子もそれに賛成なのは無論のことで、庄造以上に態度がハツキリしてゐたのである。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)