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執拗
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しつあう
ふりがな文庫
“
執拗
(
しつあう
)” の例文
それは、若松屋の妾お扇は、名題の『小便組』だといふ噂を、
執拗
(
しつあう
)
に小意地惡く言ひふらした上、町の惡童共に菓子などをやつて
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は都会から、生活から、
朋友
(
ほういう
)
から、あらゆる色彩、あらゆる音楽、その種のすべてから
執拗
(
しつあう
)
に自己を封じて、ぢつと自分の小さな世界に黙想してるやうな冷たい暗い詩人なのであつた。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
錢形平次の
執拗
(
しつあう
)
な疑ひに對して、
嬌瞋
(
けうしん
)
を發した姿です。それは怒つた
孔雀
(
くじやく
)
のやうな、不思議な氣高さと
華
(
はな
)
やかさを持つたものです。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは言ひやうもなくいぢらしい姿でしたが、平次は日頃にもなく
執拗
(
しつあう
)
に、この泣き濡れる娘から、何にか引出さうとしてゐるのでした。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
少年はせい/″\十四、五、あまり
賢
(
かし
)
こさうではありませんが、丈夫さうで、
執拗
(
しつあう
)
で、頑固らしいところのあるのは、平次の註文通りでした。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
三千石の裕福な殿樣が、吹けば飛ぶやうな裏町の小間物屋に加へた壓迫の手は、殘酷で
執拗
(
しつあう
)
で惡辣を極めたのでした。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
斯
(
か
)
うして源次郎の巧妙な
詭計
(
きけい
)
も、門太郎の
執拗
(
しつあう
)
な情熱も、
醜
(
みにく
)
い下男のひたむきな純情に押し流されてしまつたのです。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
物柔かで戰鬪的で、押しが強くて金があつて、その上
執拗
(
しつあう
)
無比な働きもので、大黒屋徳右衞門は、敵に取つては全く恐ろしい男だつたかも知れません。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
果して、吾妻屋永左衞門と、大井久我之助の
鞘當
(
さやあ
)
ては、一應表向きは納まりましたが、二人の心持は
執拗
(
しつあう
)
に深刻に、行くところまで行き着いてしまつたのです。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
猪之助は無造作に言ひきつて、尚ほも主人の徳右衞門に、
執拗
(
しつあう
)
な質問を續けようとするのです。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この探索は
執拗
(
しつあう
)
に熱心に續けられましたが、人足共をヘトヘトに疲らせ、溜池を滅茶にかき濁らせただけ、錢箱は愚か、古下駄一つもあがらず、寶雲齋坊、眞つ先に立つて
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父親玄龍の手で
繃帶
(
ほうたい
)
したまゝですが、傷は後ろから一と突き、拳上がりに心の臟を刺したらしく、手もとが狂つて傷口がさゝくれてゐる癖に、間違ひもなく娘の命を奪つた
執拗
(
しつあう
)
さが
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お六は
執拗
(
しつあう
)
に
絡
(
から
)
み付いて、その手は默然として壁の方を向く平次の肩に掛りました。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
品を替へ
責
(
せ
)
め立てますが、お吉は
執拗
(
しつあう
)
に口を
緘
(
つぐ
)
んで、悲しくも眼を伏せるばかり、まさか
拷問
(
がうもん
)
にかけるわけにも行かず、二三日の後には、石原の利助も少し持て餘し氣味になりました。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
竪川筋のとある材木小屋につれ込まれたお登世が、春松の
執拗
(
しつあう
)
な邪惡な戀の前に、あはや命も處女も奪はれかけて居るところへ、若旦那の久太郎は、鐵砲玉のやうに驅け込んだのです。
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十八娘の死骸は、多少の變化があるにしても、毛程の傷も
斑點
(
はんてん
)
もないことはもとの通りで、さすがの平次も、この
執拗
(
しつあう
)
な
冒涜
(
ばうとく
)
に自分を耻ぢ恐れて、默つて引下がる外はなかつたのです。
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
生得
(
しやうとく
)
の大きな聲でわめき散らすと、さしもに
執拗
(
しつあう
)
な野次馬も、嗅ぎわけられる恐ろしさから逃れようとしたか、一人減り、二人歸り、人垣は後ろの方からゾロゾロと崩れて行くのでした。
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人はそれつ切り口を
噤
(
つぐ
)
みましたが、中の爭ひは、深刻に、
執拗
(
しつあう
)
に續きます。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは平次も持て餘した程の、無智で、
執拗
(
しつあう
)
で、氣違ひ染みた熱心さでした。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
歸る途々、八五郎の
執拗
(
しつあう
)
な問ひに答へて、平次は斯う説明してくれました。
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
矢を誂へたのは意外にも跡部滿十郎、そして近頃跡部滿十郎に引取られたお頼は、滿十郎の
執拗
(
しつあう
)
な戀に驚いて、ツイ一昨日、芝の遠い知合を
辿
(
たど
)
つて逃げて行つたことまで明かになつたのです。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
入口に
粘
(
ねば
)
つて、女房のお靜を
手古摺
(
てこず
)
らせてゐる中年男があつたのです。その調子は
慇懃
(
いんぎん
)
で
朴訥
(
ぼくとつ
)
でさへありましたが、押しが強くてわけがわからなくて、
梃
(
てこ
)
でも動かない
執拗
(
しつあう
)
なところがあつたのです。
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
杵太郎は、何を考へたか、押し返して
執拗
(
しつあう
)
に言ふのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
執拗
(
しつあう
)
な怨を抱くものゝ仕業といふことになります。
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
斯うなると小豆澤小六郎は、
執拗
(
しつあう
)
で頑固でした。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は尚も
執拗
(
しつあう
)
にガラツ八を追及します。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は日頃になく
執拗
(
しつあう
)
に
絡
(
から
)
むのです。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は
執拗
(
しつあう
)
に喰ひ下がりました。
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は妙に
執拗
(
しつあう
)
に突つ込みます。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
拗
漢検1級
部首:⼿
8画
“執拗”で始まる語句
執拗度
執拗無殘