執拗しつ)” の例文
ねえ支倉君、僕にはレヴェズの壮烈な姿が、絶えず執拗しつっこくつきまとっているのだがね。あの男の心理は、実に錯雑をきわめているのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「うむ、執拗しつっこい奴等だな、御蔵前で見ん事、いてやったと思ったに、しぶとけて来やあがったのか」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
私は勝ちました。土壇場どたんばですつぽかして、駒次郎に首でもくゝらせようと思つたのが、あんまり執拗しつこくからみ付かれて、ツイ庖丁を振り上げて了ひました。私は娘を
私は勝ちました。土壇場どたんばですっぽかして、駒次郎に首でもくくらせようと思ったのが、あんまり執拗しつこく絡みつかれて、ツイ庖丁を振り上げてしまいました。私は娘を
その望月丹後は、娘を何處やらで見掛けたさうで、つて傍近く召使ひ度いと人橋をけて執拗しつこく申込んだ上、支度金と申して、大金まで持つて來させたのぢや。
あんまり執拗しつこく來るので、持て餘した大寺源十郎、合羽の下に隱すやうにして持つて居た一刀、引拔き樣サツと浴びせると、相手も油斷して居たものか、大袈裟おほげさに斬られて死んでしまひました。
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)