ちぎ)” の例文
阿父おとうさん、これちぎり立てのさくらなのよ。埃や毛虫の卵がくつ着いててもいけないから、一粒づつこの水で洗つて召しあがれよ。」
「正義」の大商人おほあきんどウヰルソン氏なぞ、よく気をけないと、兎のやうな耳朶みゝたぶちぎれる程引張られるかも知れないて。
百姓だけに仇花あだはなちぎつて捨てるものと思ひ込んだ親爺は、とうと成斎をうちからり出す事に決めた。
中馬には片つ方の耳朶みゝたぶが無い。それはこの男が西の宮の南天棒なんてんぼう和尚のとこに居た頃、ひどいけがをして耳朶みゝたぶちぎれかゝつた事があつた。中馬は猿のやうに耳を押へて医者のうちに走つた。