洞穴うろ)” の例文
樵夫きこりをのが深く幹にひ込むやうになると、急にばた/\と音がして、洞穴うろのなかから何か飛び出した物がある。
さみしさ凄さはこればかりでもなくて、曲りくねッたさも悪徒らしい古木の洞穴うろにはふくろがあのこわらしい両眼で月をにらみながら宿鳥ねとりを引き裂いて生血なまちをぽたぽた……
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
だん/\掘つてくうちに、椎の木のなかが深い洞穴うろになつてゐるのに気がいた。
やつこさん、巣をくつてたな、洞穴うろのなかへ。」