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烏鷺
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うろ
ふりがな文庫
“
烏鷺
(
うろ
)” の例文
その主人は私の碁敵で、いつもよくひまの時
烏鷺
(
うろ
)
を戦わせていたのです。それで大抵の場合、私自身が煙草を買いに行きつけていたのです。
悪魔の弟子
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
差当つて仕事ができないし、やがて幻に
烏鷺
(
うろ
)
を睨んで寒中浴衣で蹌踉と巷を歩くやうになり、早死してしまうからである。
生命拾ひをした話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
夢中で
烏鷺
(
うろ
)
を戦わしている両人には
容赦
(
ようしゃ
)
なく、伝二郎が気がついたころには、それこそ
稀有
(
けう
)
の大雨となって
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
庭の秋陽のあおりを受けて、この部屋はほのかに明るくて、そうして静かで
浄
(
きよ
)
らかであり、その中で
烏鷺
(
うろ
)
をたたかわせる、石の音ばかりがしばらくつづいた。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
名誉と
家禄
(
かろく
)
を賭けた血の出るような争い碁も興ある
烏鷺
(
うろ
)
の戦となる。しかも交互におく黒白の一石は自分の恥しい俗手凡手ではなくて本因坊の、井上
因碩
(
いんせき
)
のそれである。
独り碁
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
▼ もっと見る
良雪が
碁盤
(
ごばん
)
を出せといつもの如くいうので、家族の者は二人のあいだへ盤と石を備えた。パチ、パチというもの静かな
烏鷺
(
うろ
)
の音が、すぐその部屋から
洩
(
も
)
れてくるのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秋山もきょうは非番であったので、ひる過ぎからその隠居所をたずねて、例のごとく
烏鷺
(
うろ
)
の勝負を争っているうちに、秋の日もいつか暮れて、細かい雨がしとしとと降り出した。
真鬼偽鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女はただ
隼
(
はやぶさ
)
の空を
搏
(
う
)
つがごとくちらと
眸
(
ひとみ
)
を動かしたのみである。男はにやにやと笑った。勝負はすでについた。舌を
腭頭
(
あごさき
)
に飛ばして、泡吹く
蟹
(
かに
)
と、
烏鷺
(
うろ
)
を争うは策のもっとも
拙
(
つた
)
なきものである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、かおってくる
木犀
(
もくせい
)
の
香
(
におい
)
! パチッパチッと囲碁の音! 隣りで
烏鷺
(
うろ
)
を戦わせるらしい。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、さっそく、
盤
(
ばん
)
にたいして、
烏鷺
(
うろ
)
を
闘
(
たたか
)
わせ始めた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外見はあくまでも
閑々
(
かんかん
)
たる風流
烏鷺
(
うろ
)
のたたかい……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
虚実
(
きょじつ
)
烏鷺
(
うろ
)
談議
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“烏鷺”の意味
《名詞》
烏と鷺。
黒と白。
囲碁。
(出典:Wiktionary)
烏
漢検準1級
部首:⽕
10画
鷺
漢検準1級
部首:⿃
24画
“烏鷺”で始まる語句
烏鷺談議