むろ)” の例文
村人は地むろの中で、藁細工に長い冬の日を送つてゐたのが、今こそ出るべき時が來たとやうに、身仕度をして野良仕事に出掛けるのである。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
むろを出た村人は、麓の松林で、終日斧を振つてゐるが、焚火の周圍へ集つて、煙草を喫みながら、折々笑ひ話をしてゐる。焚火の細い煙は、太い赤松の幹をめぐつて登る。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)