“ひつくりかへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引繰返21.1%
顛倒21.1%
10.5%
轉覆10.5%
顛覆5.3%
卒倒5.3%
反覆5.3%
引転返5.3%
引顛返5.3%
覆轉5.3%
轉倒5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其所そこかはが流れて、やなぎがあつて、古風ないへであつた。くろくなつた床柱とこばしらわきちがだなに、絹帽シルクハツト引繰返ひつくりかへしに、二つならべて置いて見て、代助は妙だなとつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その気抜のした、そして譬へて云つて見ると、石や金でこしらへた彫像の目の様な目と、粗相なつやのない顔附を見たリツプは、しんの臓が胸の中で顛倒ひつくりかへつて、膝はしまりがなくなりました。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
それを部屋の真中にひつくりかへして、早速舟を漕ぐ真似を始めた。麻の夏蒲団は蓆筵ござの代りに成つた。小さな畳の上の船頭は団扇掛うちはかけに長い尺度ものさしゆはひ着けて、それでの形を造つた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
職工が一日ついたちになつても給料を拂はれぬので、活字函ケース轉覆ひつくりかへして家へ歸つたさうだとか云ふ噂が、一度や二度でなく私等の耳に入るけれど、それでも一日として新聞を休んだ事がない。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
女王樣ぢよわうさま怒氣どきふくませられ、王樣わうさまから振向ふりむいて軍人ネーブまをされました、『其奴等そやつら顛覆ひつくりかへせ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
軍人ネーブ顛覆ひつくりかへしました、きははめて注意ちういして、片脚かたあしもつて。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
なんかとしるしてあるでせう、奴輩やつこさん喫驚びつくりして卒倒ひつくりかへるだらう。
包紙は一應反覆ひつくりかへして何か書いてあるかと調べたり、皺くちやにして捨てて了つたが、又袂を探してヘナ/\になつた赤いレース絲で編んだ空財布を出して、それに銀貨を入れて、再び袋にしまつた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
これ人形にんぎやうは、はい、玩具箱おもちやばこ引転返ひつくりかへしたなかからばかりるもんではねえで、の、見事みごとなに不思議ふしぎいだが、心配しんぱいするな木彫きぼりだ、とはつしやる、……お前様めえさまつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
木彫きぼりのあの、和蘭陀靴オランダぐつは、スポンとうらせて引顛返ひつくりかへる。……あふりをくつて、論語ろんごは、ばら/\と暖爐だんろうつつて、くわつしゆそゝぎながら、ペエジひらく。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
サア夫はのつめ臺詞ぜりふ忠兵衞今は詮方せんかたなければ左樣御座らば此由を若旦那へ一おう話してと云ども主個あるじは更にきかず何の息子せがれに話すに及ばう如何いかに戀慕こひしたふ美人でも覆轉ひつくりかへつてあわ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きはめわけきかほしと腹の立まゝやぶからぼうにまくりたてつゝいひければ忠兵衞呆氣あつけとらるゝのみ少も合點がてん行ざれどもお光の事とは大方にすゐせばいよ/\わかかねなほ押返おしかへして問けるに主個あるじは今方店へ來し醫師がのべたるテレメンテーナの藥の事より大藤の女兒むすめかうと話したるが和郎は大事な主人のよめ途中とちうなんどで轉倒ひつくりかへ天窓あたまむさ草履ざうり草鞋わらぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)