顛倒ひつくりかへ)” の例文
グートいきをもかずにむと、ゴロ/\/\とのどまつたからウーム、バターリと仰向あふむけさまに顛倒ひつくりかへつてしまふ。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その気抜のした、そして譬へて云つて見ると、石や金でこしらへた彫像の目の様な目と、粗相なつやのない顔附を見たリツプは、しんの臓が胸の中で顛倒ひつくりかへつて、膝はしまりがなくなりました。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
両手に提げるより幾何いくらましだが、使ひ馴れぬ肩と腰が思ふ様に言ふ事を聴いてくれぬ。天秤棒に肩を入れ、えいやつと立てば、腰がフラ/\する。膝はぎくりと折れさうにからだ顛倒ひつくりかへりさうになる。
水汲み (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
物の評価の顛倒ひつくりかへるのは面白い。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)