“玩具箱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもちやばこ50.0%
おもちゃばこ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今はこの話に出て来る雛も、鉛の兵隊やゴムの人形と一つ玩具箱おもちやばこに投げこまれながら、同じ憂きめを見てゐるのかも知れない。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
横浜! 横浜! とあるひは急に、或はゆるく叫ぶ声の窓の外面そとも飛過とびすぐるとともに、響は雑然として起り、ほとばしづる、群集くんじゆ玩具箱おもちやばこかへしたる如く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まるで百花撩乱のお花畑のような、ペンキ塗りの玩具箱おもちゃばこをひっくり返したような、青春の夢のように美しくも目を奪うものであった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
茶屋の手すりに眺めていた海はどこか見知らぬ顔のように、珍らしいと同時に無気味ぶきみだった。——しかし干潟ひがたに立って見る海は大きい玩具箱おもちゃばこと同じことである。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)