かえ)” の例文
雲雀ひばりが高く舞い上がるを見て、その真下まで這い行き口をもたげて毒を吐かば、雲雀たちまちかえり堕ちて蛇口に入り、餌食となると書いた。
それが眼に着くと、彼はすぐにきびすかえした。そちらの方面のことは、前原や神崎の手でおおよそ分っていたからである。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
ある者は猟銃を撃った。散弾が轟然として四辺あたりほとばしると、頑強の敵も流石さすがきもひしがれたらしい、くびすかえしてばらばらと逃げ出した。巡査等はかつに乗って追い詰めると、穴はようやく広くなった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)