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帰宅
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かえ
ふりがな文庫
“
帰宅
(
かえ
)” の例文
旧字:
歸宅
いまにも、あの元気な顔で、最後の朝、出がけに言ったように、安房屋の煮豆でも提げて、ぶらぶら
帰宅
(
かえ
)
って来そうな気がしてならない。
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
午後三時過ぎて下町行の一行はぞろぞろ
帰宅
(
かえ
)
って来た。一同が茶の間に集まってがやがやと今日の見聞を今一度繰返して話合うのであった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それで、医師の合田氏は、これはいけないと非常な丹精をしてくれまして、夜も
帰宅
(
かえ
)
らず、
徹宵
(
てっしょう
)
附き添い、薬も自身
煎
(
せん
)
じて看護してくれられました。
幕末維新懐古談:50 大病をした時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
手をつないだ座敷着の
妓
(
おんな
)
たちが
褄
(
つま
)
を高くあげて彼の前を通りすぎた。万八楼の小提灯が、遅く
帰宅
(
かえ
)
る
料理番
(
いたまえ
)
の老人を、とぼとぼと
河岸
(
かし
)
づたいに送って行く。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
帰宅
(
かえ
)
って因果を含めたのさ」「え、誰にだえ、お父っつぁんにか?」「
爺
(
じじ
)
く玉なんかが役立つかい。可愛い可愛い女房にさ」「殺生な野郎だ、叩き売ったな」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
親譲りの山も林もなくなりかゝってお吉心配に病死せしより、
齢
(
とし
)
は
僅
(
わずか
)
に
十
(
とお
)
の冬、お辰浮世の
悲
(
かなし
)
みを知りそめ
叔父
(
おじ
)
の
帰宅
(
かえ
)
らぬを困り
途方
(
とほう
)
に暮れ居たるに、近所の人々
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「オヤ、
既
(
も
)
うお
帰宅
(
かえ
)
りになったな」
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
その
帰途
(
かえり
)
、近所の町組詰所へ立ち寄って、異な物を銜えた宿無犬のことを聞き、もしやと思って急いで
帰宅
(
かえ
)
ってみると、案の定
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そうするとある日、僕が学校から
帰宅
(
かえ
)
って見ると、今井の叔父さんが来ていて父上も奥の座敷で何か話をしてござった。
鹿狩り
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
腕力
(
ちから
)
の欲しい若者達が少しの
効験
(
しるし
)
でも身に受けたいと、夜昼境内へやって来ては、力柱へ体を打ち付け
帰宅
(
かえ
)
る時には多少なりとも、賽銭を投げて行ったものだが、
倦
(
あ
)
き易いのは凡夫の常
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その壁辰が
帰宅
(
かえ
)
って来た——のはいいが、一
瞥
(
め
)
自分を見るより、つと血相を変えて、いま眼前に立ちはだかったまんまだから、
脛
(
すね
)
に傷持つ身
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
大急で
帰宅
(
かえ
)
って土間にどしりと俵を下した音に、泣き
寝入
(
ねいり
)
に寝入っていたお源は眼を覚したが声を
出
(
ださ
)
なかった。そして今のは何の響とも気に留めなかった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その宗七の留守中に、女房お多喜が富ヶ岡八幡から拾って来た美しい狂女を見て、三国ヶ嶽から
帰宅
(
かえ
)
って来た宗七、持前の頓狂な大声で、叫んだものだ。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この夜自分は学校の用で神田までゆき九時頃
帰宅
(
かえ
)
って見ると、妻が
助
(
たすく
)
を
背負
(
おぶ
)
ったまま火鉢の前に坐って
蒼
(
あお
)
い顔というよりか
凄
(
すご
)
い顔をしている。そして自分が
帰宅
(
かえ
)
っても
挨拶
(
あいさつ
)
も為ない。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
何のたしにもなるまいが小耳に挾んで来た、藤吉より一足先に
帰宅
(
かえ
)
っていた彦兵衛は、こう言って伸びをした。
釘抜藤吉捕物覚書:09 怨霊首人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
夜更けて
帰宅
(
かえ
)
る金貸し老爺、何しに町筋を外れて木槌山のかげへ立寄ったろう? ほかで射殺してここへ運んだものか。それにしては提灯などが落ちているのが呑み込めない。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お高は、若松屋惣七が、まだ帰ってきていなければいいと思って、いそいで
帰宅
(
かえ
)
った。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、庄公は
帰宅
(
かえ
)
ってくる。必ず、にこにこ笑って、かえってくる!
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その、世の中に金以外、女に用のないはずの文珠屋佐吉は、先日旅に出て
帰宅
(
かえ
)
ってからというものは、めっきり味気ない顔つきで、ことに今日は、じぶんの高札を見てすっかり腐ってしまったと言う。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“帰宅”の意味
《名詞》
帰 宅 (きたく)
自宅に帰ること。
《動詞》
帰 宅 する (きたくする)
自宅に帰る。
(出典:Wiktionary)
帰
常用漢字
小2
部首:⼱
10画
宅
常用漢字
小6
部首:⼧
6画
“帰宅”で始まる語句
帰宅後