帰郷かえ)” の例文
容貌きりょうは梅子と比べると余程落ちるが、県の女学校を卒業してちょうど帰郷かえったばかりのところを、友人なにがしの奔走で遂に大津と結婚することに決定きまったのである。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それが、急に、もうじき豊後へ帰郷かえることになったというので、庄太郎は、名残り惜しそうに
「学問したり、いろいろ、一人前の男の道を、勉強したりして、帰郷かえるんだ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家君さんが気抜けのようになッたと言うのに、幼稚ちいさおととはあるし、いもとはあるし、お前さんも知ッてる通り母君おッかさん死去ないのだから、どうしても平田が帰郷かえッて、一家の仕法をつけなければならないんだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)