“さかさま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
48.2%
逆様25.0%
13.4%
逆樣8.0%
倒様2.7%
倒樣1.8%
逆方0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
胴中の縄がゆるんで、天窓がつちへ擦れ擦れに、さかさまになっておりますそうな。こりゃもっともじゃ、のう、たっての苦悩くるしみ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
引手茶屋は、ものの半年とも持堪もちこたえず、——残った不義理の借金のために、大川を深川から、身をさかさまに浅草へ流着ながれついた。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ばたりとあおっておのずから上に吹開く、引窓の板を片手にもたげて、さかさまに内をのぞき、おくの、おくのとて、若き妻の名を呼ぶ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、次の瞬間、彼はにじられた草の緑が眼につくと、反耶に微笑ほほえ不弥うみの女の顔を浮べて逆様さかさま墜落ついらくした。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その後に冬木立の逆様さかさまに映った水面の絵を出したらそれは入選したが「あれはあまりり過ぎてると碧梧桐へきごどうが云ったよ」という注意を受けた。
明治三十二年頃 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
親の心子知らずとは、よく人がいう奴だが、俺にゃそのことわざ逆様さかさまで、これ程慕う子の心が、親の心には通じねえのだ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
ここにその矢雉子の胸より通りてさかさまに射上げて、天の安の河の河原にまします天照らす大御神高木たかぎの神一五御所みもといたりき。
やがて手をかけて、小脇に抱上げたが、お雪の黒髪はさかさまに乱れて、片手に黒百合を持ったのを胸にあてて、片手をぶらりと垂れていた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
沢山たんと、待たせてさ。」と馴々なれなれしく云うのが、遅くなった意味には取れず、さかさまうらんで聞える。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「尻餅をついたからよかつたやうなものの、逆樣さかさまに落ちたら一ぺんに死んでしまひますよ。私はもう、あの家に居るのが怖くてしやうがない」
「憎い奴等だ。地獄の釜の中へ、逆樣さかさまに叩き込み度いほど憎い奴等だが、仕組みが巧過うますぎて、手も出せない——口惜しいがになる證據が一つも無いのだよ」
と立直るところを、足をさらはれて、さすがの八五郎、逆樣さかさまに引くり返つて了ひました。
彼は、持論として奉じてゐる『厭世に価しない人生』のために、胸倉をとられて小突かれ、脚を払はれて真ツ倒様さかさまに転倒した。
村のストア派 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
梯子段を倒様さかさまい落ちるようにして、店二階に寝て居た与之助が、真っ蒼な顔を出しました。
故にローフェスタイン城からゴルクム町に達するまで、グローチゥスは窮屈なる位置姿勢で忍ばねばならず、もしまた運送の人夫が倒様さかさまに櫃を置いたり、あるいは投げ出しでもしたなら、それこそ大変、生命の危険にも立ち及ぶおそれがある。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
お兼の指した流しの向うに、物に凭れさせて洗つた徳利が一本、倒樣さかさまになつてゐる外に、赤繪あかゑの猪口が一つ、これも洗つたまゝ板の上に伏せてあるではありませんか。
梯子段はしごだん倒樣さかさまに這ひ落ちるやうにして、店二階に寢てゐた與之助が、眞つ蒼な顏を出しました。
赤い佐渡牛は引割と言つて、腰骨こしぼねを左右に切開かれ、其骨と骨との間へ横木を入れられて、逆方さかさまに高く釣るし上げられることになつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)