“さかしま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サカシマ
語句割合
83.3%
16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
円形の池を大廻りに、みどりの水面に小波ささなみ立って、二房ふたふさ三房みふさ、ゆらゆらと藤のなみさかしまみぎわに映ると見たのが、次第にちかづくと三人の婦人であった。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われは毛髮さかしまちて、卓と柩との皆獨樂こまの如く旋轉するを覺え、身邊忽ち常闇とこやみとなりて、頭の内には只だしくたへなる音樂の響きを聞きつ。
……その森、その樹立こだちは、……春雨のけぶるとばかり見る目には、三ツ五ツ縦に並べた薄紫の眉刷毛まゆばけであろう。死のうとした身の、その時を思えば、それもさかしまに生えた蓬々おどろおどろひげである。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それに、からだに比較しては長過ぎる二三寸の尾を動かしながらしきりにさかしまに松の枝へ吊さっては餌をむさぼる。尾に触れ嘴に打たれて、小さな松の皮、古松葉などがはらはらと落ちて来る。
茸をたずねる (新字新仮名) / 飯田蛇笏(著)