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倒
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たを
『
此畜類、まだ
往生しないか。』と、
手頃の
鎗を
捻つて
其心臟を
貫くと、
流石の
猛獸も
堪らない、
雷の
如く
唸つて、
背部へドツと
倒れた。
春枝夫人の
嬋娟たる
姿は
喩へば
電雷風雨の
空に
櫻花一瓣のひら/\と
舞ふが
如く、
一兵時に
傷き
倒れたるを
介抱せんとて、
優しく
抱き
上げたる
彼女の
雪の
腕には
『よろしい、
參りませう。』と
琵琶投げ
捨てゝ、
一番鬪つたが、
忽ちウンと
捩り
倒された。