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屍體
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したい
翌日、
同志達は
皆から
醵金した
入院料を
持つて、
彼女の
屍體を
受け
取りに
來た。すると、
黒衣の
坊さん
達が、
彼女の
周圍を
取り
捲いたが、K
氏は
斷然それを
拒絶した。
そして其の
屍體が地の底に
納まるか納まらぬに、お房の家は破産の
宣告を受けて一
家離散となツた。
墓場の
薔薇の花、
屍體から出た若い
命、墓場の
薔薇の花、おまへはいかにも
可愛らしい、
薄紅い、さうして美しい
爛壞の
薫神神しく、まるで生きてゐるやうだ、
僞善の花よ、
無言の花よ。
そして
病院がいふには、
入院料を
持つて
來ない
限り、
決して
屍體は
渡さないと。
秋の
日が
暮れた。
彼女の
屍體は
白布に
掩はれて、その
夜屍室に
搬ばれた。