屍體したい)” の例文
新字:屍体
翌日よくじつ同志達どうしたちみんなから醵金きよきんした入院料にふゐんれうつて、彼女かのぢよ屍體したいりにた。すると、黒衣こくいばうさんたちが、彼女かのぢよ周圍しうゐいたが、K斷然だんぜんそれを拒絶きよぜつした。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
そして其の屍體したいが地の底におさまるか納まらぬに、お房の家は破産の宣告せんこくを受けて一離散りさんとなツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
墓場の薔薇ばらの花、屍體したいから出た若いいのち、墓場の薔薇ばらの花、おまへはいかにも可愛かはいらしい、薄紅うすあかい、さうして美しい爛壞らんゑかをり神神かうがうしく、まるで生きてゐるやうだ、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そして病院びやうゐんがいふには、入院料にふゐんれうつてないかぎり、けつして屍體したいわたさないと。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
あきれた。彼女かのぢよ屍體したい白布しろぬのおほはれて、その屍室ししつはこばれた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)