肢態したい)” の例文
若い彼等二人は、仲睦なかむつまじそうに、一つ蒲団に抱き合って寝た。相手の腕が自分の肢態したいにしっかり、からみついている間は、安心して睡った。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
軽薄なテンポに、××楼の広間でイヴニングを着て客と踊っていた妓の肢態したいを想いだした。カッと唇をかみしめながら、キャバレエーの中へはいって行った。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
しかし、一方伸子の肢態したいを考えると、腰を座深めに引いて、そこから下の下肢の部分はやや左向きとなり、上半身はそれとは反対に、幾分右へ傾いているのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
湯気のふきでている裸にざあッと水が降りかかって、ピチピチとはずみきった肢態したいあやしくふるえながら、すくッと立った。官能がうずくのだった。何度も浴びた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
彼女のなまぐさい体臭や、胸をくような官能的色彩に富んだ衣裳や、その下にムックリ盛りあがった肢態したいなどは、日常吾人ごじんあじわうべき最も至廉しれんにして合理的なる若返わかがえり法である
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)