“至廉”の読み方と例文
読み方割合
しれん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僅々一二銭の餌を買へば、終日岡釣して楽むべく、毎日出遊するも、百回一二円の出費に過ぎず、これ程至廉しれんの遊楽天下に無しと言ふ者あり。
研堂釣規 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
彼女のなまぐさい体臭や、胸をくような官能的色彩に富んだ衣裳や、その下にムックリ盛りあがった肢態したいなどは、日常吾人ごじんあじわうべき最も至廉しれんにして合理的なる若返わかがえり法である
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この至廉しれんな札を眺めると共に、今まで恋愛と芸術とに酔っていた、お君さんの幸福な心の中には、そこに潜んでいた実生活が、突如としてその惰眠から覚めた。間髪かんはつを入れずとは正にこのいいである。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)