しの)” の例文
この里人はもとより、一五八みやこ防人等さきもりたち、国の隣の人までも、一五九ことをよせて恋しのばざるはなかりしを、手児女てごな物うき事に思ひ沈みつつ、一六〇おほくの人の心にむくいすとて
とめと しのばるる 尼のみ寺の みほとけや 幾世へにけむ 玉の手の 光りふふみて かそけくも 微笑ゑませたまへる にふれつ 朝な夕なに おもはすは きその嘆きか うつし世の 常なきうれひか 頬にふるる 指のあはひに 春ならば くれなゐの薔薇ばら 秋日には
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)