カヘツ)” の例文
乳母があわてゝ探すだらう、と言ふ心が起つて来ても、カヘツてほのかな、こみあげ笑ひを誘ふ位の事になつてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
片破れ月が、アガつて来た。ソレカヘツて、あるいてゐる道のホトリスゴさを照し出した。其でも、星明りで辿タドつて居るよりは、よるべを覚えて、足が先へ/\と出た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
緘黙シジマを破つて、カヘツてもの寂しい、乾声カラゴヱが響いた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)