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上下
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じょうげ
ふりがな文庫
“
上下
(
じょうげ
)” の例文
縁起
(
えんぎ
)
でもないことだが、ゆうべわたしは、
上下
(
じょうげ
)
の
歯
(
は
)
が一
本
(
ぽん
)
残
(
のこ
)
らず、
脱
(
ぬ
)
けてしまった
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
ました。
情
(
なさけ
)
ないが、
所詮
(
しょせん
)
太夫
(
たゆう
)
は
助
(
たす
)
かるまい
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
くまは、かごの
格子
(
こうし
)
の
目
(
め
)
から、
大
(
おお
)
きな
体
(
からだ
)
に
比較
(
ひかく
)
して、ばかに
小
(
ちい
)
さく
見
(
み
)
える
頭
(
あたま
)
をば
上下
(
じょうげ
)
に
振
(
ふ
)
って、あたりをながめていました。
汽車の中のくまと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雨降りの中では
草鞋
(
わらじ
)
か靴ででもないと
上下
(
じょうげ
)
は
難
(
むずか
)
しかろう——
其処
(
そこ
)
を
通抜
(
とおりぬ
)
けて、
北上川
(
きたかみがわ
)
、
衣河
(
ころもがわ
)
、名にしおう、
高館
(
たかだち
)
の
址
(
あと
)
を望む
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれどもその腹は一分と
経
(
た
)
たないうちに、恐るべき波を
上下
(
じょうげ
)
に描かなければやまない。そうして熱そうな汗の球が
幾条
(
いくすじ
)
となく背中を流れ出す。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
然れどもゴンクウルは衆に
先
(
さきん
)
じて浮世絵に着目したる最初の
一人
(
いちにん
)
たり。その著歌麿伝の価値は
此
(
かく
)
の如き
白璧
(
はくへき
)
の
微瑕
(
びか
)
によりて
上下
(
じょうげ
)
するものに
非
(
あら
)
ず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
も
少
(
すこ
)
し
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
気味
(
ぎみ
)
になり、『すべては
霊魂
(
みたま
)
の
関係
(
かんけい
)
から
役目
(
やくめ
)
が
異
(
ちが
)
うだけのもので、
別
(
べつ
)
に
上下
(
じょうげ
)
の
差
(
さ
)
がある
訳
(
わけ
)
ではないでしょう。』と
慰
(
なぐさ
)
めて
置
(
お
)
きました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
なにか
叫
(
さけ
)
ぼうとした
唇
(
くちびる
)
が
上下
(
じょうげ
)
にゆがんだが、いう言葉さえ知らぬように、
鼻
(
はな
)
の
穴
(
あな
)
をひろげたまま、アングリと口をあいて
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
のていたらく……。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それじゃ仕舞ッてからで
宜
(
い
)
いからネ、
何時
(
いつ
)
もの車屋へ往ッて一人乗
一挺
(
いっちょう
)
誂
(
あつ
)
らえて来ておくれ、
浜町
(
はまちょう
)
まで
上下
(
じょうげ
)
」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
百余年以前には、村の
戸数
(
こすう
)
が
上下
(
じょうげ
)
をあわせて百六、七十、まだその以外にも同じ火災のあとで、
利根川
(
とねがわ
)
の川口に近い
新田場
(
しんでんば
)
へ、
疎開
(
そかい
)
させた家が数十戸もあった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
文治は支度そこ/\猟師の家を立去りまして、三俣へ二里半、
八木沢
(
やぎさわ
)
の関所、
荒戸峠
(
あらどとうげ
)
の
上下
(
じょうげ
)
二十五丁、
湯沢
(
ゆさわ
)
、
関宿
(
せきじゅく
)
、
塩沢
(
しおざわ
)
より二十八丁を経て、六日町へ
着
(
ちゃく
)
しました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
高瀬舟
(
たかせぶね
)
は京都の
高瀬川
(
たかせがわ
)
を
上下
(
じょうげ
)
する小舟である。徳川時代に京都の罪人が
遠島
(
えんとう
)
を申し渡されると、本人の親類が
牢屋敷
(
ろうやしき
)
へ呼び出されて、そこで
暇乞
(
いとまご
)
いをすることを許された。
高瀬舟
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
広島県の分水嶺である
上下
(
じょうげ
)
に行く途中の汽車の中に二人の青年があらわれた。
実践について:――馬になった話――
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
「月給は御承知の通り六十円ですが、原稿料は一枚九十銭なんです。仮に
一月
(
ひとつき
)
に五十枚書いても、僅かに
五九
(
ごっく
)
四十五円ですね。そこへ
小雑誌
(
しょうざっし
)
の原稿料は六十銭を
上下
(
じょうげ
)
しているんですから……」
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あめの
中
(
なか
)
から、キンタさんと、オツタさんと
飛
(
と
)
び
出
(
で
)
たよ。」という
唄
(
うた
)
を、
頭
(
あたま
)
を
上下
(
じょうげ
)
に
振
(
ふ
)
りながら
歌
(
うた
)
いだしたのであります。
からすの唄うたい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
修築
(
しゅうちく
)
手入
(
てい
)
れなどの
場合
(
ばあい
)
の
用意
(
ようい
)
に、
工匠
(
こうしょう
)
が
上下
(
じょうげ
)
する足がかりが
棟
(
むね
)
のコマ
詰
(
づめ
)
から
角垂木
(
かどたるき
)
の
間
(
あいだ
)
にかくしてあるもので、みんな上へ上へと気ばかりあせっていたので
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つるつるちゅうと音がして
咽喉笛
(
のどぶえ
)
が一二度
上下
(
じょうげ
)
へ無理に動いたら箸の先の蕎麦は消えてなくなっておった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しょせん逃げられないとさとった彼は、目を相手の上にすえると、たちまち別人のように、凶悪なけしきになって、
上下
(
じょうげ
)
の齒をむき出しながら、すばやく
鉾
(
ほこ
)
をかまえて、
威丈高
(
いたけだか
)
にののしった。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
駄餉
(
だしょう
)
とも
雑餉
(
ざっしょう
)
ともこれをいって、
飯
(
めし
)
は
屯食
(
とんじき
)
という
握飯
(
にぎりめし
)
で、
汁
(
しる
)
は添わなかったようであるが、そのかわりにはいろいろのご
馳走
(
ちそう
)
が
櫃
(
ひつ
)
や
長持
(
ながもち
)
で持ちはこばれ、
上下
(
じょうげ
)
何十人の者が路傍の森の
蔭
(
かげ
)
などで
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
馬子
(
まご
)
は、はらだちまぎれに、あらあらしく、たづなを
引
(
ひ
)
くと、
馬
(
うま
)
は、
頭
(
あたま
)
を
上下
(
じょうげ
)
にふって、
反抗
(
はんこう
)
の
意
(
い
)
をしめし、
前足
(
まえあし
)
に
力
(
ちから
)
をいれて、
大地
(
だいち
)
へしがみつこうとしました。
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これで、どのくらいじだらくな
上下
(
じょうげ
)
の風俗が、改まるかわかりません。やれ
浄瑠璃
(
じょうるり
)
の、やれ歌舞伎のと、見たくもないものばかり
流行
(
はや
)
っている時でございますから、丁度よろしゅうございます。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これはになって行く者の
足取
(
あしど
)
りにつれて、
両端
(
りょうはし
)
が少しずつ
上下
(
じょうげ
)
にうごき、そのわずかのあいだだけ、肩を休めるようにできているので、そういう動作のために、荷物の
吊繩
(
つりなわ
)
がすべり落ちないように
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
主人は肴をちょっと突っついたが、うまくないと云う顔付をして
箸
(
はし
)
を置いた。正面に
控
(
ひか
)
えたる妻君はこれまた無言のまま箸の
上下
(
じょうげ
)
に運動する様子、主人の
両顎
(
りょうがく
)
の
離合開闔
(
りごうかいこう
)
の具合を熱心に研究している。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、みんなの
方
(
ほう
)
を
向
(
む
)
いて、
頭
(
あたま
)
を
上下
(
じょうげ
)
に
振
(
ふ
)
ったり、
体
(
からだ
)
を
左右
(
さゆう
)
に
揺
(
ゆ
)
すったりしました。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“上下”の解説
上下(じょうげ、うえした)とは、上および下を指す。六方位(六方)の名称の一つで、高さ・深さといった立体的な位置を指す方位の概念を表す言葉である。
上・下方
頭・足方
天頂・天底方向
北・南方
首都に近づく・遠ざかる方
価値・地位が高い・低い方
時代が古い・新しい方
(出典:Wikipedia)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“上下”で始まる語句
上下共
上下座
上下料
上下格
上下着
上下箱
上下縞
上下谷
上下二筋
上下變動