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じょうげ
けれどもその腹は一分と
経たないうちに、恐るべき波を
上下に描かなければやまない。そうして熱そうな汗の球が
幾条となく背中を流れ出す。
然れどもゴンクウルは衆に
先じて浮世絵に着目したる最初の
一人たり。その著歌麿伝の価値は
此の如き
白璧の
微瑕によりて
上下するものに
非ず。
私も
少し
気の
毒気味になり、『すべては
霊魂の
関係から
役目が
異うだけのもので、
別に
上下の
差がある
訳ではないでしょう。』と
慰めて
置きました。