上下あげおろ)” の例文
小説家の柳川やながは春葉氏は大の子供好きだが、自分には子供が居無いので、いぬころや小猫を可愛かあいがつて、お客の前をもいとはず、土足のまゝ上下あげおろしをするので
幸い他の人は荷の上下あげおろしをしたり馬に荷をけたりして居るその間、私は暫く休息して日に暖たまりながら自分の身体を摩擦して居ますと、荷物を皆馬へ載けてしまったです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
毎日々々はし上下あげおろしに出る母親の毒々しい当こすりが、お島の頭脳あたまをくさくささせた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ひびあかぎれの手を、けちで炭もよくおこさないから……息で暖めるひまもなしに、鬼婆の肩腰を、さするわ、むわ、で、そのあげくが床の上下あげおろし、坊主枕のおおいまで取りかえて、旦那様、御寝げしなれだ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)