上下しやうか)” の例文
(六九)いはく『其美そのび(七〇)將順しやうじゆんし、其惡そのあく(七一)匡救きやうきうす、ゆゑ上下しやうか相親あひしたしむ』と。管仲くわんちういひ
思へば風前ふうぜんともしびに似たる平家の運命かな。一門上下しやうかはなひ、月にきやうじ、明日あすにもめなんず榮華の夢に、萬代よろづよかけて行末祝ふ、武運の程ぞ淺ましや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
武芝は年来公務に恪勤かくきんして上下しやうかの噂も好いものであつたが、前例を申して之をこばんだ。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一日あるひ侯は急に榛軒を召した。榛軒は涎衣ぜんいを脱することを忘れて侯の前に進み出た。上下しやうか皆笑つた。榛軒わづかに悟つてしづかに涎衣を解いて懐にし、てんたる面目があつた。是が二つである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
榮燿ええうくらすやに相見あひみさふらふ、さるにても下男げなん下女げぢよどもの主人しゆじんあしざまにまをし、蔭言かげごとまをさぬいへとてはさらになく、また親子おやこ夫婦ふうふ相親あひしたしみ、上下しやうか和睦わぼくして家内かない波風なみかぜなく、平和へいわ目出度めでたきところはまれさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)