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走
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はし
ふりがな文庫
“
走
(
はし
)” の例文
また、ばたんと
機械
(
きかい
)
がまわって、ピリッピリッと
鳴
(
な
)
ると、ゴウッと
走
(
はし
)
ってきた
車
(
くるま
)
が
急
(
きゅう
)
に
止
(
と
)
まって、
止
(
と
)
まっていた
車
(
くるま
)
が
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
すのです。
はととりんご
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
畑
(
はたけ
)
を
越
(
こ
)
え、
牧場
(
ぼくじょう
)
を
越
(
こ
)
えて
走
(
はし
)
って
行
(
い
)
くうち、あたりは
暴風雨
(
あらし
)
になって
来
(
き
)
て、
子家鴨
(
こあひる
)
の
力
(
ちから
)
では、
凌
(
しの
)
いで
行
(
い
)
けそうもない
様子
(
ようす
)
になりました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
櫻
(
さくら
)
の
樹
(
き
)
の
梢
(
うら
)
を、ぱつと
照
(
て
)
らして、
薄明
(
うすあか
)
るく
掛
(
かゝ
)
るか、と
思
(
おも
)
へば、
颯
(
さつ
)
と
墨
(
すみ
)
のやうに
曇
(
くも
)
つて、
月
(
つき
)
の
面
(
おもて
)
を
遮
(
さへぎ
)
るや
否
(
いな
)
や、むら/\と
亂
(
みだ
)
れて
走
(
はし
)
る……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
或
(
ある
)
ひはまた
廷臣
(
ていしん
)
の
鼻
(
はな
)
の
上
(
うへ
)
を
走
(
はし
)
る、と
叙任
(
ぢょにん
)
を
嗅出
(
かぎだ
)
す
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
る、
或
(
ある
)
ひは
獻納豚
(
をさめぶた
)
の
尻尾
(
しっぽ
)
の
毛
(
け
)
で
牧師
(
ぼくし
)
の
鼻
(
はな
)
を
擽
(
こそぐ
)
ると、
僧
(
ばうず
)
め、
寺領
(
じりゃう
)
が
殖
(
ふ
)
えたと
見
(
み
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
四郎五郎
(
しろごろう
)
さんの
藪
(
やぶ
)
の
横
(
よこ
)
までかけて
来
(
く
)
ると、まだ三百
米
(
メートル
)
ほど
走
(
はし
)
ったばかりなのに、あつくなって
来
(
き
)
たので、
上衣
(
うわぎ
)
をぬいでしまった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
此時
(
このとき
)
にふと
心付
(
こゝろつ
)
くと、
何者
(
なにもの
)
か
私
(
わたくし
)
の
後
(
うしろ
)
にこそ/\と
尾行
(
びかう
)
して
來
(
く
)
る
樣子
(
やうす
)
、オヤ
變
(
へん
)
だと
振返
(
ふりかへ
)
る、
途端
(
とたん
)
に
其
(
その
)
影
(
かげ
)
は
轉
(
まろ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く
私
(
わたくし
)
の
足許
(
あしもと
)
へ
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おかあさんも、セーサルがきっと、オーラのいどころを知っているにちがいないと思いましたので、そのあとについて
走
(
はし
)
っていきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
勘次
(
かんじ
)
が
走
(
はし
)
つて
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
岸
(
きし
)
に
立
(
た
)
つた
時
(
とき
)
は
霧
(
きり
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
降
(
お
)
りて、
水
(
みづ
)
は
彼
(
かれ
)
の
足許
(
あしもと
)
から二三
間
(
げん
)
先
(
さき
)
が
見
(
み
)
えるのみであつた。
岸
(
きし
)
には
船
(
ふね
)
が
繋
(
つな
)
いでなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一日
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へて
往來
(
わうらい
)
を
歩
(
ある
)
いて居ると
忽
(
たちま
)
ち
向
(
むかふ
)
から二人の男、
額
(
ひたひ
)
から
汗
(
あせ
)
を
水
(
みづ
)
の如く
流
(
なが
)
し、
空中
(
くうちゆう
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
りして
走
(
はし
)
りながら
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
夫人
(
ふじん
)
は
牢屋
(
らうや
)
に
居
(
ゐ
)
る』と
云
(
い
)
つて
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
に、『
此處
(
こゝ
)
へ
伴
(
つ
)
れて
參
(
まゐ
)
れ』
乃
(
そこ
)
で
其
(
そ
)
の
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
が
箭
(
や
)
の
如
(
ごと
)
く
走
(
はし
)
り
去
(
さ
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
なんてまぶしくって、
人間
(
にんげん
)
がどっさりいて、馬だの
車
(
くるま
)
だのが
走
(
はし
)
りまわって、おまけに、
寒
(
さむ
)
い身をきるような風が、
吹
(
ふ
)
きまわっているのだろう。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
地震
(
ぢしん
)
に
出會
(
であ
)
つた
一瞬間
(
いつしゆんかん
)
、
心
(
こゝろ
)
の
落着
(
おちつき
)
を
失
(
うしな
)
つて
狼狽
(
ろうばい
)
もすれば、
徒
(
いたづ
)
らに
逃
(
に
)
げ
惑
(
まど
)
ふ
一方
(
いつぽう
)
のみに
走
(
はし
)
るものもある。
平日
(
へいじつ
)
の
心得
(
こゝろえ
)
の
足
(
た
)
りない
人
(
ひと
)
にこれが
多
(
おほ
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
それと
知
(
し
)
れば
俄
(
にはか
)
に
肩
(
かた
)
すぼめられて
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
なければ
遽
(
あはたゞ
)
しく
片蔭
(
かたかげ
)
のある
薄暗
(
うすくら
)
がりに
車
(
くるま
)
も
我
(
われ
)
も
寄
(
よ
)
せて
憩
(
いこ
)
ひつ、
靜
(
しづ
)
かに
顧
(
かへり
)
みれば
是
(
こ
)
れも
笹原
(
さゝはら
)
走
(
はし
)
るたぐひ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それに、もっとも、いやなことには、職掌がら、配下に「
放免
(
ほうめん
)
」だの「
走
(
はし
)
り
下部
(
しもべ
)
」などという、
札
(
ふだ
)
つきの
雑人
(
ぞうにん
)
を、手あしに使っていることだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
急
(
きふ
)
に
來
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
ゐんちやう
)
だと
解
(
わか
)
つたので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
はして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
眞赤
(
まつか
)
になつて、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びやうしつ
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つゝた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
こゝは
釜山
(
ふざん
)
から
京城
(
けいじよう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
汽車
(
きしや
)
に
乘
(
の
)
つて、
一時間
(
いちじかん
)
ばかりで
大邱
(
たいきゆう
)
に
着
(
つ
)
き、そこで
下車
(
げしや
)
して
自動車
(
じどうしや
)
で
東
(
ひがし
)
の
方
(
ほう
)
へ
三四時間
(
さんよじかん
)
も
走
(
はし
)
るとすぐ
行
(
ゆ
)
かれる
所
(
ところ
)
です。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
細
(
ほそ
)
い
足
(
あし
)
のおかげで
走
(
はし
)
るわ、
走
(
はし
)
るわ、よつぽど
遠
(
とほ
)
くまで
迯
(
に
)
げのびたが、
藪
(
やぶ
)
のかげでその
美
(
うつ
)
くしい
角
(
つの
)
めが
笹
(
さヽ
)
に
引掛
(
ひつか
)
かつてとう/\
猟人
(
かりうど
)
につかまつたとさ。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
三四郎は
真逆
(
まさか
)
、
左
(
さ
)
うかとも云へなかつた。
薄
(
うす
)
笑ひをした丈で、又
洋筆
(
ペン
)
を
走
(
はし
)
らし始めた。与次郎も
夫
(
それ
)
からは
落付
(
おちつ
)
いて、時間の終る迄
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
かなかつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
水谷氏
(
みづたにし
)
も
余
(
よ
)
も、
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
穴
(
あな
)
から
飛上
(
とびあが
)
つた。
焚火連
(
たきびれん
)
も
走
(
はし
)
つて
來
(
き
)
た。一
同
(
どう
)
公爵穴
(
こうしやくあな
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
ると、なる
程
(
ほど
)
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そして、
變化
(
へんくわ
)
のない
街道
(
かいだう
)
は
相變
(
あいかは
)
らず
小川
(
をがは
)
に
沿
(
そ
)
うて、
平
(
たひら
)
な
田畑
(
たはた
)
の
間
(
あひだ
)
をまつ
直
(
す
)
ぐに
走
(
はし
)
つてゐた。
霧
(
きり
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
霽
(
は
)
れ
上
(
あが
)
つて、
空
(
そら
)
には
星影
(
ほしかげ
)
がキラキラと
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
した。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
(一〇九)
故
(
もと
)
の
楚
(
そ
)
の
貴戚
(
きせき
)
、
盡
(
ことごと
)
く
呉起
(
ごき
)
を
害
(
がい
)
せんと
欲
(
ほつ
)
す。
悼王
(
たうわう
)
死
(
し
)
するに
及
(
およ
)
んで、
宗室大臣
(
そうしつだいじん
)
、
亂
(
らん
)
を
作
(
な
)
して
呉起
(
ごき
)
を
攻
(
せ
)
む。
呉起
(
ごき
)
、
走
(
はし
)
つて
王
(
わう
)
の
尸
(
し
)
に
之
(
ゆ
)
きて
之
(
これ
)
に
伏
(
ふ
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
台所の
方
(
はう
)
へ
走
(
はし
)
つて来た貢さんは、其処に阿母さんが見えないので、草履を
穿
(
は
)
いて
裏口
(
うらぐち
)
から納屋の
後
(
うしろ
)
へ廻つた。阿母さんは
物干竿
(
ものほしざを
)
に洗濯物を通して居る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
見留夫
捕縛
(
めしとれ
)
と云ふより早く手先兩人づか/\と
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
り上意と聲かけ文右衞門并びに久兵衞とも
忽
(
たちま
)
ち高手小手に
縛
(
いまし
)
め兩人ながら
自身番
(
じしんばん
)
へ引行けるに是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
というのが、
手
(
て
)
にとるように
聞
(
き
)
こえるので、
坊
(
ぼう
)
さんはもういよいよ
絶体絶命
(
ぜったいぜつめい
)
とかくごをきめて、
一心
(
いっしん
)
にお
経
(
きょう
)
を
唱
(
とな
)
えながら、
走
(
はし
)
れるだけ
走
(
はし
)
って行きました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
尚
(
なほ
)
化物
(
ばけもの
)
に一の
必要條件
(
ひつえうぜうけん
)
は、
文化
(
ぶんくわ
)
の
程度
(
ていど
)
と
非常
(
ひぜう
)
に
密接
(
みつせつ
)
の
關係
(
くわんけい
)
を
有
(
いう
)
する
事
(
こと
)
である。
化物
(
ばけもの
)
を
想像
(
さうざう
)
する
事
(
こと
)
は
理
(
り
)
にあらずして
情
(
ぜう
)
である。
理
(
り
)
に
走
(
はし
)
ると
化物
(
ばけもの
)
は
發達
(
はつたつ
)
しない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「
走
(
はし
)
りは一粒五銭から七八銭という相場ですから、貰いでもしなければ
迚
(
とて
)
も此方の口へは入りません。
他所
(
わき
)
の品物をこの土地で預かっているようなものです」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
思ふにコロボックルは數人連合し互に
相
(
あひ
)
助
(
たす
)
けて獸獵に從事し、
此所彼所
(
ここかしこ
)
より多くの矢を
射掛
(
ゐか
)
け、鹿なり猪なり勢
衰
(
おとろ
)
へて
充分
(
じうぶん
)
に
走
(
はし
)
る事能はざるに至るを
見濟
(
みす
)
まし
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
即
(
すなは
)
ち一日の
後
(
おくれ
)
となるゆへ、四年目には一日
増
(
ま
)
して
其間
(
そのあひだ
)
に
地球
(
ちきう
)
を
走
(
はし
)
らしめ、
丁度
(
ちやうど
)
本
(
もと
)
の
處
(
ところ
)
に
行付
(
ゆきつく
)
を
待
(
ま
)
つなり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
手帳を破ってそのうえに
走
(
はし
)
り
書
(
がき
)
にしたためたものであった。手首がとんでも、なおしっかり握りしめていたその手紙というのには、一体何が書いてあったろうか。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人をふきとばしそうなサイレンをならしている
自動車
(
じどうしゃ
)
、
往来
(
おうらい
)
いっぱいになってがたがた
走
(
はし
)
ってくる
乗合自動車
(
のりあいじどうしゃ
)
、うるさくベルをならしながらとびまわる
自転車
(
じてんしゃ
)
などで
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
こは
心得
(
こゝろえ
)
ぬ事也とて心あたりの処こゝかしこへ人を
走
(
はし
)
らせて
尋
(
たづね
)
させけるにその
在家
(
ありか
)
さらにしれず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其他
(
そのほか
)
は
何
(
いづ
)
れも
断片
(
だんぺん
)
で、
文句
(
もんく
)
は
素
(
もと
)
より
拙劣
(
せつれつ
)
、
唯
(
たゞ
)
血
(
ち
)
の
躍
(
おど
)
るまゝにペンを
走
(
はし
)
らせたものとしか
見
(
み
)
えぬ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
その
時分
(
じぶん
)
、
当
(
とう
)
のおこのは、
駕籠
(
かご
)
を
急
(
いそ
)
がせて、
月
(
つき
)
のない
柳原
(
やなぎはら
)
の
土手
(
どて
)
を、ひた
走
(
はし
)
りに
走
(
はし
)
らせていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ある
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじめ
)
、
館
(
やかた
)
の
森
(
もり
)
に
蝉時雨
(
せみしぐれ
)
が
早瀬
(
はやせ
)
を
走
(
はし
)
る
水
(
みず
)
のように、
喧
(
かまびず
)
しく
聞
(
きこ
)
えている、
暑
(
あつ
)
い
真昼過
(
まひるす
)
ぎのことであったと
申
(
もう
)
します——
館
(
やかた
)
の
内部
(
うち
)
は
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたような
不時
(
ふじ
)
の
来客
(
らいきゃく
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
術
(
すべ
)
もなく
苦
(
くる
)
しくあれば
出
(
い
)
で
走
(
はし
)
り
去
(
い
)
ななと
思
(
も
)
へど
児等
(
こら
)
に
障
(
さや
)
りぬ 〔巻五・八九九〕 山上憶良
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私はかぜを引き
続
(
つゞ
)
けた。母が、「アツ」といつたまゝ
死
(
し
)
んでしまつた。すると、
妻
(
つま
)
が母に代つて
床
(
とこ
)
についた。私の
誇
(
ほこ
)
つてゐた
門
(
もん
)
から登る
花
(
はな
)
の小路は、氷を買ひに
走
(
はし
)
る
道
(
みち
)
となつた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
が、いくら
身悶
(
みもだ
)
えをしても、
體中
(
からだぢう
)
にかかつた
繩目
(
なわめ
)
は、一
層
(
そう
)
ひしひしと
食
(
く
)
ひ
入
(
い
)
るだけです。わたしは
思
(
おも
)
はず
夫
(
をつと
)
の
側
(
そば
)
へ、
轉
(
まろ
)
ぶやうに
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
りました。いえ、
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
らうとしたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おまえがときどき「あんまり断片的の感想で、さっぱり判りませんね。もっと冷静に書いて
寄越
(
よこ
)
して下さい」と
苦
(
にが
)
り切った手紙を寄越さなければならないほどの感情にあふれた
走
(
はし
)
り
書
(
がき
)
を
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
雪
(
ゆき
)
に
覆
(
おほ
)
はれたその
切
(
き
)
り
崩
(
くづ
)
しの
斜面
(
しやめん
)
に、
獸
(
けもの
)
の
足跡
(
あしあと
)
が、
二筋
(
ふたすぢ
)
についてゐるのは、
犬
(
いぬ
)
か
何
(
なに
)
かゞ
驅
(
か
)
け
下
(
お
)
りたのであらう、それとも、
雪崩
(
なだれ
)
になつて
轉
(
ころ
)
げ
下
(
お
)
りて
來
(
き
)
た
塊
(
かたま
)
りの
走
(
はし
)
つた
跡
(
あと
)
でもあらうかと
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
走
(
はし
)
りながら
廻
(
まは
)
りながら
踊
(
おど
)
りながら、
鹿
(
しか
)
はたびたび
風
(
かぜ
)
のやうに
進
(
すゝ
)
んで、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
角
(
つの
)
でついたり
足
(
あし
)
でふんだりしました。
嘉十
(
かじふ
)
の
手拭
(
てぬぐひ
)
はかあいさうに
泥
(
どろ
)
がついてところどころ
穴
(
あな
)
さへあきました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
可哀
(
かわい
)
そうなエチエンヌも、やっぱり自分の
脚
(
あし
)
相応
(
そうおう
)
に
歩
(
ある
)
いているのです。
調子
(
ちょうし
)
が
揃
(
そろ
)
う
筈
(
はず
)
がありません。エチエンヌは
走
(
はし
)
ります。
息
(
いき
)
を
切
(
き
)
らします。声を出します。それでも
遅
(
おく
)
れてしまいます。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
本
(
ほん
)
がみつかったので、
講堂
(
こうどう
)
へ
走
(
はし
)
って
帰
(
かえ
)
ると、もう
生徒
(
せいと
)
らはお
祈
(
いの
)
りの
整列
(
せいれつ
)
をしていた。
背
(
せい
)
の
順
(
じゅん
)
に
長
(
なが
)
い
行列
(
ぎょうれつ
)
を
作
(
つく
)
っているので、小さいのは前の方で
聖像
(
せいぞう
)
に近く、大きいのはうしろに立っている。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
浜の方からは
神輿
(
みこし
)
の迎へに開運丸、住吉丸などと船の名を書いた旗を持つた若者が幾人も幾人も
走
(
はし
)
しつて
行
(
ゆ
)
く、四五町先へ
神輿
(
みこし
)
が来た頃から危ながつて
道端
(
みちはた
)
に居る人が皆店の上へ
上
(
あが
)
つて来る。
住吉祭
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「きょうは、たいそうがあって、
走
(
はし
)
りきょうそうで一ばんになりました。」
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
左
(
ひだり
)
へ
翔
(
かけ
)
り
右
(
みき
)
へ
走
(
はし
)
り、
四面八角
(
しめんはつかく
)
縱横無盡
(
じうわうむじん
)
に
飛
(
とひ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
はたや、
太皷
(
たいこ
)
の
悶絶
(
もんぜつ
)
に
列
(
つら
)
なり
走
(
はし
)
る
槍尖
(
やりさき
)
よ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
事榮
(
ことばえ
)
の
日
(
ひ
)
は、はららかにそそ
走
(
はし
)
りゆき
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
波だつ小川が笑いながら
走
(
はし
)
ってゆく
笑いの歌
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ブレイク
(著)
火
(
ひ
)
は
走
(
はし
)
り、焔は飛びき
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
けたゝまし
虹
(
にじ
)
走
(
はし
)
る
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
走
常用漢字
小2
部首:⾛
7画
“走”を含む語句
御馳走
競走
馳走
一走
帆走
突走
師走
疾走
走馬燈
脱走
奔走
小走
矢走
走狗
須走
快走艇
駛走
石走
走行
逃走
...