“警笛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けいてき51.4%
サイレン25.7%
アラーム8.6%
シッフル5.7%
アレルト2.9%
クラクション2.9%
クラクソン2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あまりうるさく警笛けいてきを鳴らすものだから、山木は自分たちの自動車を道路の端の方へ寄せ、相手の車を先へ追越させることにした。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
山野氏の自宅は向島小梅町こうめちょうの閑静な場所にあった。自動車は威勢のいい警笛サイレンを鳴しながら、立派な冠木門かぶきもんを入って行った。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
邸前の坂道を疾駆して馳け上る自動車の爆音が聞えたかと思ふと、やがてそれが門前で緩んで、低い警笛アラームと共に、一輛の自動車が、唐沢家の古びた黒い木の門の中に滑り入つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
風が変ったらしく、工場のサイレンや、ポンポン蒸気の排気管や、可動橋の定時の信号や、汽艇の警笛シッフルや、さまざまな物音が、欄間らんまの回転窓の隙間から雑然と流れこんでくる。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
午前三時半頃、最初の警笛アレルトが市民の眠を驚かした。皆ガス・マスクの袋を提げ、懷中電燈を持つて、地下窖アブリへ逃げ込んだ。
大戦脱出記 (旧字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
そこへ警笛クラクションの音も忍びやかに辷り込んで来た一台のタクシー、「巴里」という酒場の真ん前で停る、その中から四五人の男女が降りて来た。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おや、しゃれた警笛クラクソンが鳴るじゃないか。なるほど乗合自動車オムニバスはやっとロンドン市自用車疾走区域に入った。
ロンドン一九二九年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)