かん)” の例文
天草てんぐさで作った心太ところてんや、かんぞうを入れた甘露水などを売っていたが、それでは金がさにならないので、多くは、怪しげな女が地酒を冷やしてひさいでいた。
また日本にては、貧家の子が菓子屋に奉公したる初には、かんをなめて自から禁ずるを知らず、ただこれを随意に任してその飽くを待つの外にすべなしという。
経世の学、また講究すべし (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かんの父親がまだ生きている時、甘の家には一羽の鸚鵡をってあったが、ひどくりこうな鳥であった。ある時珏はその鸚鵡にえさをやった。それは珏が四つか五つの時であったが、父親に訊いた。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
何よりも先に、車の側へ行って、かかるご難儀をおかけしたのは臣の罪であると、かん夫人に深く謝した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただにこれを一掃するのみならず、順良の極度より詭激の極度に移るその有様は、かの仏蘭西北部の人が葡萄酒に酔い、菓子屋の丁稚でっちかんふけるが如く、底止ていしするところを知らざるにいたるべし。
経世の学、また講究すべし (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「どうしてですか。玄徳には正室のかん夫人があるのに、まさか呉侯のお妹君を、彼の側室へなどと……第一そんな縁談を呉侯のお耳へ入れることだってはばかられるではありませんか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は襄陽じょうようを立つときから、主君の眷属けんぞく二十余人とその従者や——わけてもかん夫人だの、夫人だの、また幼主阿斗あとなどの守護をいいつけられていたので、その責任の重大を深く感じていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとかん夫人は
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)