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芳
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かん
ふりがな文庫
“
芳
(
かん
)” の例文
ことに女にうつつを抜かしている間に、
肝腎
(
かんじん
)
のものをしてやられたのでは、あまり
芳
(
かん
)
ばしい土産話にはならないのです。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここに
燦
(
さん
)
として輝くのは、
旭日
(
あさひ
)
に映る白菊の、清香
芳
(
かん
)
ばしき明治大帝の皇后宮、
美子
(
はるこ
)
陛下のあれせられたことである。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「どんな話をです?」と、氏の
問
(
とい
)
が
能
(
よ
)
く
呑込
(
のみこ
)
めないので訊き返したが、その時
偶
(
ふ
)
っと胸に浮んだのは沼南外遊中からの夫人の
芳
(
かん
)
ばしからぬ噂であった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
その又お茶の
美味
(
おい
)
しかった事……舌から食道へと煮え伝わって行く
芳
(
かん
)
ばしい
薫
(
かお
)
りを、クリ返しクリ返し味わって行くうちに、全身の関節がフンワリと
弛
(
ゆる
)
んで
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼はしばしば私に告げて、死を想像することはむしろ愉快なことだ、もっとも、これは若い者たちに語るのはあまり
芳
(
かん
)
ばしくないことではあるが——と言っている。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
▼ もっと見る
水を渡る微風が、舳に立つ少女の
芳
(
かん
)
ばしき体臭を、彼女の高い歌声と共に、ソヨソヨと吹き送った。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
育ててゆくのは、このベアトリーチェの役目なのです。それですから、あなたの
接吻
(
キッス
)
と……それから私の命のその
芳
(
かん
)
ばしい
呼吸
(
いき
)
とを、わたしに下さらなければならないのですよ
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
筒井家は順慶流だの
洞
(
ほら
)
ヶ
峠
(
とうげ
)
だのという言葉を今に遺している位で、余り武辺の
芳
(
かん
)
ばしい家ではない。其家で臆病者と云われたのは虚実は兎に角に、是も芳ばしいことでは無い。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ついでにお茶請の御註文が、——栄太楼の
金鍔
(
きんつば
)
か、
羊羹
(
ようかん
)
も
真平
(
まっぴら
)
だ。芝の
太々餅
(
だいだいもち
)
芳
(
かん
)
ばしくって歯につかず、ちょいといいけれど、
路
(
みち
)
が遠いから気の毒だ。岡野のもなかにて御不承なさるか。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勝つ者は青史の天に星と化して、
芳
(
かん
)
ばしき天才の輝きが万世に
光被
(
こうひ
)
する。敗れて地に
塗
(
まみ
)
れた者は、尽きざる恨みを残して、長しなえに有情の人を泣かしめる。勝つ者はすくなく、敗るる者は多い。
初めて見たる小樽
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
誰の上を聞いて見ても
芳
(
かん
)
ばしい話はないやうだった。
霜
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
芳
(
かん
)
ばしき若葉の風が洗ひたる石の道をば夕ぐれに行く
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
真に文字通り
芳
(
かん
)
ばしい最期を遂げたのであろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さて
芳
(
かん
)
ばしく鳴り響く、子供ごころに。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
白梅や墨
芳
(
かん
)
ばしき
鴻臚館
(
こうろかん
)
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
……ところでその
序
(
ついで
)
に、何か一つ諸君をアッといわせるような手土産をと思ったが、格別
芳
(
かん
)
ばしいものも思い当らないので、そのまま門司の
伊勢源
(
いせげん
)
旅館の二階に滞在して
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
白梅や墨
芳
(
かん
)
ばしき
鴻臚館
(
こうろくゎん
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
芳
常用漢字
中学
部首:⾋
7画
“芳”を含む語句
梅蘭芳
芳香
蘇芳
芳紀
芳志
芳芬
蘇芳染
御芳志
芳町
芳年
芳野
芳原
大蘇芳年
落合芳幾
芳川
周芳
堤下摘芳草
五姓田芳梅
芳醇
芳賀
...