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歓
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かん
ふりがな文庫
“
歓
(
かん
)” の例文
旧字:
歡
いま
歓
(
かん
)
を通じたばかりの女の首が、ドサリ、血を噴いて、畳を打った。
播磨大掾
(
はりまだいじょう
)
水無
(
みな
)
し
井戸
(
いど
)
の一刀はもう腰へかえっている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こうなると、日ごろのゲジゲジも
迂路鼠
(
うろねずみ
)
も
青草蛇
(
あおだいしょう
)
も、案外、天真
爛漫
(
らんまん
)
なもので、飲む、踊る、唄うなど、百芸の
歓
(
かん
)
を尽して飽くるを知らない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ですからその夜は文字通り一夕の
歓
(
かん
)
を尽した後で、彼の屋敷を辞した時も、
大川端
(
おおかわばた
)
の川風に俥上の
微醺
(
びくん
)
を吹かせながら、やはり私は彼のために
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あたかも報復の念
迸溢
(
ほういつ
)
して
一寸刻
(
いっすんきざ
)
みにしなければあきたらないかのように、生の去ったのちの肉塊にさえ、その情欲の
赴
(
おもむ
)
くままに
歓
(
かん
)
を尽してひそかに快を
行
(
や
)
っているのだ。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
ジェミイは心がおどるようで、内にはいって行くと、
妖精
(
フェヤリー
)
たちは声をあわせて
歓
(
かん
)
げいした。
ジェミイの冐険
(新字新仮名)
/
片山広子
(著)
▼ もっと見る
孔明はふと眉を曇らせたが、なお将士の
歓
(
かん
)
を
興醒
(
きょうざ
)
めさせまいと、何気ない態で杯をかさねていると、侍中の一士が
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
李逵
(
りき
)
に代って深くあやまり、たって芸人の男親ひとりを連れて帰った。それやこれやで、せっかくな琵琶亭の
歓
(
かん
)
も、帰りは味気ない夜道になった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ともに死ぬ仲間であればこそ、同じ覚悟をすえている戦友であればこそ、和気あいあい、散り
際
(
ぎわ
)
の花のそよぐが如く、
歓
(
かん
)
を尽しあっていたのであるが——
咄嗟
(
とっさ
)
に
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軍旗祭の祝いに、秀吉もその日、わざわざ山崎へ来て、
歓
(
かん
)
をともにした。旗幟や馬印を見て
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……では今夜は、
歓
(
かん
)
を尽して、
青面獣
(
せいめんじゅう
)
楊志
(
ようし
)
の前途を祝うとしよう。ただ、他日でもよい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その拳にも飽き、また馬鹿騒ぎの
歓
(
かん
)
もつきると、やがて水亭の夜は、おひらきとなっていた。そして妓たちは、さらに楮幣のお
祝儀
(
はな
)
を、それぞれ多分にもらって引き揚げて行った。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうして、何番勝負かののち、
酒餐
(
しゅさん
)
をたまい、
伎女
(
ぎじょ
)
楽人
(
がくじん
)
の舞があって、一せいに、唱歌しおうて、秋ならば、菊、
桔梗
(
ききょう
)
などの
一枝
(
ひとえ
)
一枝
(
ひとえ
)
を
家土産
(
いえづと
)
に、
終日
(
ひねもす
)
の
歓
(
かん
)
をつくして終わるのであった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「長夜の
歓
(
かん
)
はまだ宵のうち、すこし外気に酔をさまして、また飲み直そう」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きょうの五月五日も、みな、生きの身の
歓
(
かん
)
をつくして暮れ——ほどなく加茂の葉桜のうえに、夕月を見るころ、主上の
鳳輦
(
ほうれん
)
も、上皇の御車も、れきろくと、群臣の車馬をしたがえて、還御となった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あすは都へ還るという前夜、曹操は諸大将と一
夕
(
せき
)
の
歓
(
かん
)
を共にした。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
末席は末席で、それぞれ
歓
(
かん
)
に
沸
(
わ
)
いていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歓
常用漢字
中学
部首:⽋
15画
“歓”を含む語句
歓喜
合歓
歓待
歓迎
歓楽
歓語
合歓花
歓呼
歓声
合歓木
歓迎会
歓宴
大歓喜
歓心
交歓
歓喜天
大歓迎
歓会
鬼歓
歓送迎門
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