かん)” の例文
大体が平たい真鍮かんの端に遊離しているもので、その桿の上下によって、支点に近い角体の二辺に沿い起倒する仕掛になっている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一途いちずにこうして鏃ばかりでねらうと、鏃のあてはよくても、かんの通りがろくでもないことになると、矢の出様が真直ぐにいかない。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
支持かん(1)(1)ノ上端ニ、溝(10)(10)ヲ設ケテ、「ゴム」条ノ両端ヲ挿入シテ、木螺子ねじ(9)(9)ニテ締着シ、支持桿ニ穴ヲ穿うが
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
「つまりこのハンドルを引くと、このクランクを伝わって、中心原動かんに力が起されるのです。……」
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ポーデル博士は操縦席に腰をおちつけ、しきりに計器を見ながら操縦かんをあやつっている。——この樽ロケット艇は、どこを目ざして飛んでいるのであろうか。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それが俯向うつむきに倒れ、両腕を前方に投げ出していて、背の左側には、槍尖ランス・ヘッドらしいかん状の柄が、ニョキリと不気味に突っ立っていた。死体の顔には、ほとんど恐怖の跡はなかった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そしてレバーをうごかしたり、操縦かんをひねったりした。かすかな震動しんどうが起って、部屋がうごきだした。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、復唱するなり、青江三空曹はかんをぐっとひいた。すると、青江機はぐっと機首をあげるなり、空中にうつくしい大きな曲線をえがいて、怪塔ロケットにせまりました。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「さあお客さん。実物を見た方が早わかりがしますよ。あれをごらんなさい。ぐんぐんと向こうへ押し込まれていく不錆鋼ふしょうこうの長いかん(ビーム)をごらんなさい。あれが棚になる主要資材なんです」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)