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彼
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かん
ふりがな文庫
“
彼
(
かん
)” の例文
それはもう何とも
彼
(
かん
)
ともいえない秘めやかな高貴な芳香が、歯の根を一本一本にめぐりめぐって、ほのかにほのかに呼吸されて来る。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一緒にいる時分は、ほんの
些
(
ちょい
)
とした
可笑
(
おかし
)
いことでも、
悔
(
くや
)
しいことでも即座に
打
(
ぶ
)
ちまけて何とか
彼
(
かん
)
とか言って貰わねば気が済まなかったものだ。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
連れて行って、見せてやってくれないか。僕は今日行くと、
何
(
なん
)
だ
彼
(
かん
)
だで一週間ばかりは、とても帰られそうもないんだから。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
全体大食をなさる方は物の味が解らんので何でも
彼
(
かん
)
でも沢山お
腹
(
なか
)
へ詰め込めばいいという風ですからいわゆる暴食なのです。大食のお方は必ず暴食です。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「慾ですよ、絹子さん。そんな好い御器量に生みつけて戴いて、
何
(
なん
)
だの
彼
(
かん
)
だのと不足を仰有ると罰が当りますよ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
「それがね、妾のは何も年頃の娘が、何でも
彼
(
かん
)
でも可笑しがるといふあれとは何だか違ふやうに思はれて……」
小川の流れ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
傳「いやア何うも、
何
(
なん
)
とも
彼
(
かん
)
とも、お
前
(
めえ
)
にも逢いたかったが、
彼
(
あ
)
れから
行端
(
ゆきは
)
がねえので」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『其は、お前が、腕もありもしない癖に、妙に私に
楯
(
たて
)
つくぢやないか。だから、私が、もう少し辛抱お
爲
(
し
)
つて言つてるのに、お前が
何
(
なん
)
でも
彼
(
かん
)
でも一本立でやつて見せますつてんで……。』
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
何
(
なん
)
か
彼
(
かん
)
か言ってますよ。
みごとな女
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
一軒の
主
(
あるじ
)
じゃアないか、
然
(
そ
)
うして
姉弟
(
きょうだい
)
で堅くして
彼
(
あ
)
アやって、
温和
(
おとな
)
しくして居る
堅人
(
かたじん
)
だよ、伯父さんも村方で
何
(
なん
)
とか
彼
(
かん
)
とか云われる人で失礼ではないか、お前さんを主人の様に
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とお歌さんが言った、通というのは、毎日のように此界隈を歩く
狂人
(
きちがい
)
の乞食で、茶碗の
断片
(
かけら
)
でも下駄の棄てたのでも、何でも
彼
(
かん
)
でも手当り次第に拾って懐へ入れる。其れが病気なのだそうだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ストーリーの深刻さをあらわした……実にソノ何とも
彼
(
かん
)
とも……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「どうもそう何でも
彼
(
かん
)
でも引っ張り出されちゃ困るね。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
小兼が
若衆頭
(
わかしゅあたま
)
で
裁附
(
たっつけ
)
とやらいうものを
穿
(
は
)
いて、
金棒曳
(
かなぼうひき
)
になって、肌を脱いで、襦袢の袖が幾つも重なって、其の美しいこと何とも
彼
(
かん
)
ともいえなかった、
愚僧
(
わし
)
は其の時ぞっこん惚込んだが
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“彼”の意味
《代名詞》
(か:古語) 遠称。あれ、あちら、あの。
(かれ)三人称。
《名詞》
(かれ)ボーイフレンド又は男性の恋人。
(出典:Wiktionary)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
“彼”を含む語句
彼方
彼女
彼処
彼方此方
彼地
彼奴
彼様
彼岸
彼家
彼処此処
彼處
彼此
彼得
彼等
彼奴等
彼樣
彼是
誰彼
彼所
彼男
...