一升徳利をそのまま燗をして持ち出すやら、台所をさらえて食えそうな物ならなんでも運びこむやら、てんてこまいをしている騒ぎ。
尤も俊亮の前だけには、正木のお祖母さんの気づきで、小さなお盆に、燗徳利と、盃と、塩からのはいった小皿とが残して置かれた。
「まだ早いわよ、今日もいつづけだって云ってたじゃないの、——お酒とうにここへ持って来てあるのよ、ちょっとお燗しましょうか」
“燗(燗酒)”の解説
燗酒(かんざけ、𤏐酒と表記することもあり)とは、加熱した酒のことである。なお、酒自体を加熱する行為のことを、燗(かん)を付ける、お燗(おかん)するなどと言い、燗した日本酒は燗酒(かんざけ)と呼ばれる。温度帯による呼び名がいくつかある。ぬる燗、ひなた燗など。ただし、お湯を加えることで酒の温度を上げる行為を燗とは言わず、その場合は、お湯割り(おゆわり)と呼んで区別される。基本的に、燗を行う時、加水(お湯も含む)は行われない。(加水が行われるケースについては、「燗の現状 (焼酎)」の節を参照のこと。)
(出典:Wikipedia)
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