かん)” の例文
旧字:
10 これにわが法度のりを定めかん及び門を設けて、11 いわくここまでは来るべし、ここを越ゆべからず、なんじ高浪たかなみここにとどまるべしと。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
西東にしひがし長短のたもとを分かって、離愁りしゅうとざ暮雲ぼうん相思そうしかんかれては、う事のうとくなりまさるこの年月としつきを、変らぬとのみは思いも寄らぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
渡り廊下でつづいた別棟に、お蓮様、丹波をはじめ道場の一派、われかんせずえんとばかり、ひっそりかんと暮らしているんです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
数丈すうじょう樹上じゅじょうから目をひらけば、甲斐かい秩父ちちぶ上毛じょうもう平野へいやかんしゅう、雲の上から見る気がして、目がくらむかもわからない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、自分に致命傷ちめいしょうの危険がなければ人が何をしようと、どんなに威張ろうと、朝鮮へ遠征しようと、親類の小田原を亡ぼそうと、われかんせずでいる人だ。
家康 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
かれは、ただちに病院びょういんへかつぎまれました。きずさいわいにあし挫折ざせつだけであって、ほかはたいしたことがなく、もとより生命せいめいかんするほどではなかったのです。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
すなわち彼等は長州がつも徳川がくるもごうも心にかんせず、心に関するところはただ利益りえきの一点にして
さればいよいよ湯上りの両肌りょうはだ脱ぎ、うちつぶれようが地面が裂けようが、われかんせずえんという有様、身も魂も打込んで鏡に向う姿に至っては、先生は全くこれこそ
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
国の盛衰を引請くるとは、すなわち国政にかかわることなり。人民は国政にかんせざるべからざるなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それは事実じじついなかはらなかつたが、たれからも好感こうかんをもたれないわたしとIとのことかんして、さうつたとすれば、それはS、Hひさうなことだとはおもはれた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
なるるべくはなし筋道すじみちとおるよう、これからすべてを一とまとめにして、わたくしなが年月としつきあいだにやっとまとめげた、守護霊しゅごれいかんするおはなし順序じゅんじょよく申上もうしあげてたいとぞんじます。
自分は便利のためにこれをここに引用する必要を感ずる——武蔵野は俗にいうかん八州の平野でもない。また道灌どうかんかさの代りに山吹やまぶきの花を貰ったという歴史的の原でもない。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
遼東りょうとう江陰侯こういんこう呉高ごこうを永平よりい、転じて大寧たいねいに至りて之を抜き、ねい王を擁してかんに入る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
土蔵のひさしの下を潜って、裏通りへ抜ける狭い抜け裏で、入口と出口には厳重な木戸があり、一夫いっぷかんまもればと言った、江戸の下町によく見掛けた、一種の要害になって居ります。
その玄宗皇帝の御代みよも終りに近い、天宝十四年に、安禄山あんろくさんという奴が謀反むほんを起したんだが、その翌年の正月に安禄山は僭号せんごうをして、六月、賊、かんる、みかど出奔しゅっぽんして馬嵬ばかいこうず。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
が、そのなかで、とくに興味深きょうみぶかおもわれたのは、金魚鉢きんぎょばちかんしてのかれ述懐じゅっかいであつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
そして、例の猪首を窮屈そうに詰襟のうえにそらし、我かんせずえんといったふうでいながら、教室では無論のこと、廊下を歩いている時でも、次郎には特別の注意を払っていたのである。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それで男も女も恋愛れんあいかんする趣味しゅみにはなんらの自覚じかくもなかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その日、柴家さいけ荘丁いえのこは、大勢して、旅立つ客の三名を、関外まで送って行った。かんの番卒といい、牢営内の役人までも、柴進さいしんの家の者と聞けば、疑いもしない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
筑波の影が低くはるかなるを見ると我々はかん八州の一隅に武蔵野が呼吸している意味を感ずる。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
われかんせずえんと水口の土間で、かまどの下を吹きつけていたお藤が、気のない声で答える。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
右のごとく長州の騒動そうどうに対して痛痒つうようあいかんせざりしに反し、官軍の東下に引続ひきつづき奥羽の戦争せんそうに付き横浜外人中に一方ならぬ恐惶きょうこうを起したるその次第しだいは、中国辺にいかなる騒乱そうらんあるも
私徳を修めて身を潔清けっせいくらいに置くと、私権を張りて節を屈せざると、二者その趣をことにするが如くなれども、根本の元素は同一にして、私徳私権あいかんし、徳は権のしつなりというべし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
◯そしてこの御しがたき奔放自在の海に対して「法度のりを定めかん及び門を設けて」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ピカ一は、もはやわれかんせず、という様子であった。
不連続殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
さらに、二つの江の口を過ぎると、やがて金沙灘きんさたんの岸には、幾旒いくりゅうもの旗と人列が見えた。頭領の王倫おうりん以下、寨中さいちゅうの群星が、かんを出て、立ち迎えていたものだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はっ。抜け出して来たものらしく、ひそかに、かん元帥にお目にかかりたいといって来ましたが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬は、見むきもせず、われかんせずえんと、かッたるそうに目の皮をふさいでいる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かん突破とっぱ
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)