かん)” の例文
その年うるう五月五日、咸臨丸かんりんまる無事ぶじ帰朝きちょうし、かん浦賀うらがたっするや、予が家の老僕ろうぼくむかいきたりし時、先生老僕ろうぼくに向い、吾輩わがはい留守中るすちゅう江戸において何か珍事ちんじはなきやと。
えい、ものものしや、神聖しんせいなる甲板かんぱんは、如何いかでか汝等なんぢらごとけがれたる海賊かいぞく血汐ちしほむべきぞ。とかんます/\ふるふ。硝煙せうゑんくらうみおほひ、萬雷ばんらい一時いちじつるにことならず。
てい幾度いくたびかん水線甲帶すいせんかうたいくだけんとしたが、やうやくのこと起重機きぢゆうきをもつて、我等われら餘人よにんれるまゝ端艇たんていが「」の甲板かんぱん引揚ひきあげられたときには、はじめてホツと一息ひといきついたよ。
兩君りようくん! 君等きみら幸運かううんしゆくします。』とつたまゝ、かうべめぐらして左右さいう顧見かへりみときたちまち、かん後部艦橋こうぶかんけうくだつて、歩調ほちようゆたかに吾等われらかたあゆんで一個いつこ海軍大佐かいぐんたいさがあつた。