かん)” の例文
かんからも役人が出張し、厳重に小屋を吟味した。しかしお染はいなかった。誘拐したという証拠もない。どうすることも出来なかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どこを毎日遊んで廻るのか、不良少女の混血児あいのこちょうは、派手に着かざった身なりをして、相変らず二かんに口実をもうけては出歩いている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村役人は平生からその豪家を憎んでいたので、すぐにかんに訴えた。官の役人も相手が豪家であるから、この際いじめつけてやろうというので、その詮議が甚だ厳重になった。
〔譯〕心のかんは則ち思ふ。思の字只是れ工夫くふうの字なり。思へば則ち愈精明せいめいなり、愈篤實とくじつなり。其の篤實より之を行と謂ひ、其の精明より之を知と謂ふ。知と行とは一の思の字にす。
てッきり二かんの娘にちがいねえ。二官というなあ、ころびばてれんの今井二官よ、山屋敷の中であの花櫛の似合う娘といえば、お蝶というその女よりないはずだ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見るとそれは、夕刻、今井二かんと少し話して帰った、山屋敷常詰じょうづめ同心どうしん河合かあいでん八。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死者に口なく、かん正道せいどうなく
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)