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肝
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かん
ふりがな文庫
“
肝
(
かん
)” の例文
夫
(
それ
)
から解剖して
是
(
こ
)
れが心臓で是れが肺、是れが
肝
(
かん
)
と説明して
遣
(
やっ
)
た所が、「誠に
有難
(
ありがた
)
い」と云て薬種屋も医者もふっと帰って
仕舞
(
しまっ
)
た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
肝
(
かん
)
、
心
(
しん
)
、
脾
(
ひ
)
、
肺
(
はい
)
、
腎
(
じん
)
の五臓は、五志、五気、五声にあらわれて、色にも
出
(
い
)
で、ことばにも隠せぬものでおざる。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
惡
(
わ
)
るくすると
取
(
とり
)
かへしの
付
(
つ
)
かぬ
事
(
こと
)
になると
申
(
まをし
)
まして、
夫
(
そ
)
れで
其時
(
そのとき
)
申
(
まをし
)
ました、
私
(
わたし
)
が
郷里
(
きやうり
)
の
幼
(
おさ
)
な
友達
(
ともだち
)
に
是
(
こ
)
れ/\
斯
(
か
)
う
言
(
い
)
ふ
娘
(
こ
)
が
有
(
あ
)
つて、
肝
(
かん
)
もちの、はつきりとして
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
どの哥薩克もこんな調子で——快い
睡
(
ねむり
)
を覚されたのが
肝
(
かん
)
に障ったとでもいうようにぶっきら棒に云い放す。
死の復讐
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこはお前さんに免じて
肝
(
かん
)
の虫を
圧
(
おさ
)
えつけた。
翌日
(
あくるひ
)
も廻ったがね、今度は
言種
(
いいぐさ
)
がなお気に食わねえ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
病床に半身を起したのは、
頽然
(
たいぜん
)
たる主人です。
肝
(
かん
)
の病で久しく寝ていたのが、三日前怒りに任せて奥方を折檻し、引続く心痛に疲れ果てて、物を言うのもおっくうそう。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
是が學者
工夫
(
くふう
)
上の
肝
(
かん
)
要なる處。生死の間
落着
(
おちつき
)
出來ずしては、天性と云ふこと相分らず。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
天
(
てん
)
の・
善人
(
ぜんにん
)
に
報施
(
はうし
)
する、
其
(
そ
)
れ
如何
(
いかん
)
ぞ
哉
(
や
)
。
(四九)
盜跖
(
たうせき
)
は
日
(
ひ
)
に
(五〇)
不辜
(
ふこ
)
を
殺
(
ころ
)
し、
(五一)
人
(
ひと
)
の
肉
(
にく
)
を
肝
(
かん
)
にし、
(五二)
暴戻恣睢
(
ばうれいしき
)
、
黨
(
たう
)
を
聚
(
あつ
)
むること
數
(
すう
)
千
人
(
にん
)
、
天下
(
てんか
)
を
横行
(
わうかう
)
せしが、
竟
(
つひ
)
に
壽
(
じゆ
)
を
以
(
もつ
)
て
終
(
をは
)
れり。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
姐御、そう
肝
(
かん
)
が高ぶっちゃ話がしにくい。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
すると父は急に
肝
(
かん
)
の発した様な声で
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
肝
(
かん
)
臆
(
おぢ
)
ず
駈
(
かけ
)
早
(
はや
)
し
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
「ままある急な
御風熱
(
ごふうねつ
)
と拝されます。
肝
(
かん
)
、胃、
腎
(
じん
)
、お悪いところはありませぬしお脈もいたってたしかなので」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
病床に半身を起したのは、
頽然
(
たいぜん
)
たる主人です。
肝
(
かん
)
の病で久しく寢て居たのが、三日前怒りに任せて奧方を折檻し、引續く心痛に
疲
(
つか
)
れ果てて、物を言ふのもおつくふさう。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
でも、何だか、
肝
(
かん
)
が
起
(
た
)
って、じりじりしてね、おかしく自分でも
自棄
(
やけ
)
になって
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寢間
(
ねま
)
の
時計
(
とけい
)
の十二を
打
(
う
)
つまで
奧方
(
おくがた
)
はいかにするとも
睡
(
ねふ
)
る
事
(
こと
)
の
無
(
な
)
くて
幾
(
いく
)
そ
度
(
たび
)
の
寢
(
ね
)
がへり
少
(
すこ
)
しは
肝
(
かん
)
の
氣味
(
きみ
)
にもなれば、
入
(
い
)
らぬ
浮世
(
うきよ
)
のさま/″\より、
旦那樣
(
だんなさま
)
が
去歳
(
こぞ
)
の
今頃
(
いまごろ
)
は
紅葉舘
(
こうえうくわん
)
にひたと
通
(
かよ
)
ひつめて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一、水はやいばわたしが
肝
(
かん
)
じんにて
候
(
そうろう
)
。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それと、五十五の坂にかかった人間の生理的な焦躁とか、我慢のおとろえとか、
脾
(
ひ
)
、
肝
(
かん
)
、
心
(
しん
)
、
腎
(
じん
)
、
肺
(
はい
)
の五臓の衰気も多分に手伝うていることは疑いもない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
をば
母親
(
はゝおや
)
似
(
に
)
の
面
(
おも
)
ざし
見
(
み
)
るに
肝
(
かん
)
の
種
(
たね
)
とて
寄
(
よ
)
せつけも
致
(
いた
)
されず、
朝夕
(
あさゆふ
)
さびしうて
暮
(
くら
)
しましたるを、
嬉
(
うれ
)
しき
縁
(
こと
)
にて
今
(
いま
)
斯
(
か
)
く
私
(
わたくし
)
が
我
(
わが
)
まゝをも
免
(
ゆる
)
し
給
(
たま
)
ひ、
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
なき
今日此頃
(
けふこのごろ
)
、それは
勿體
(
もつたい
)
ないほどの
有難
(
ありがた
)
さも
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
眞青に成つて怒るよ、にゑ
肝
(
かん
)
だからね、赤くはならない、夫れとも笑ふかしら、笑はれても構はない、大きく取つて看板に出たら宜いな、お前は嫌やかへ、嫌やのやうな顏だものと恨めるもをかしく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
眞青
(
まつさき
)
に
成
(
な
)
つて
怒
(
おこ
)
るよ、にゑ
肝
(
かん
)
だからね、
赤
(
あか
)
くはならない、
夫
(
そ
)
れとも
笑
(
わら
)
ふかしら、
笑
(
わら
)
はれても
構
(
かま
)
はない、
大
(
おほ
)
きく
取
(
と
)
つて
看板
(
かんばん
)
に
出
(
で
)
たら
宜
(
い
)
いな、お
前
(
まへ
)
は
嫌
(
い
)
やかへ、
嫌
(
い
)
やのやうな
顏
(
かほ
)
だものと
恨
(
うら
)
めるもをかしく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“肝”の意味
《名詞》
(カン、きも)肝臓。
(カン)東洋医学における五臓のひとつ。
(カン)(古)心。
(きも)広く、内臓全体。
(きも)精神力。度胸。また、精神。意志。
(出典:Wiktionary)
肝
常用漢字
中学
部首:⾁
7画
“肝”を含む語句
肝要
肝魂
肝臓
肝煎
肝胆
肝癪
肝胆相照
肝入
荒肝
肝玉
肝癪持
肝脳
肝試
肝腎
肝心
度肝
肝腎要
生肝
肺肝
肝膽
...