かん)” の例文
「何故だか存じませんけど発送人の名前も何もなくて、宛名は中央郵便局留置27号私書かん、エム・コール殿となっておりました」
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
こゝろみに書目を検すれば、説郛せつふけんの二十九、古今説海の説略、学海類篇の集余しふよの四記述、稗海はいかい第三かん等に収められてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ドイツ滞在中はブリキかんに入った「マノリ」というのを日常吸っていた。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
空に観て活字かんなす家群いへむらに都市の真実の声はあるなり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)