“紙函”の読み方と例文
読み方割合
かみばこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そのときの若い方のが、昨夜、銀座裏で逢ったの男なのさ」帆村は、抽出ひきだしのなかから新しいホープの紙函かみばこをとりだすと、そう云った。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのうちのどれだっかた東京の名妓の写真が一枚ずつ紙函かみばこに入れてあって、ぽん太とかおつまとかいう名前が田舎の中学生の間にも広く宣伝された。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「コーンニチワ……。」と露助は嘉吉を振り向きさま頓狂とんきやうな声を出した。そして人の好い無邪気な笑顔で丸田にも会釈ゑしやくした。嘉吉はポケットから細長の紙函かみばこを二個取り出してやつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)